人気ブログランキング | 話題のタグを見る

12月20日(金)★M東京芸術劇場★★S KAAT

★「プチーニのラ・ボエーム」南アフリカ劇団「イサンゴ・アンサンブル」(脚色・演出:マーク・ドーンフォード=メイ)
 国際的に評価の高いイサンゴ・アンサンブルによる、プチーニの名高いオペラを南アフリカの黒人居住区に移し替えた作品、民族楽器を使った音楽のもと、歌手たちは素晴らしい歌とパフォーマンスでプチーニを南アフリカの地に根ずかせた・・・、ヒロインのミミが貧困のため治療もできず、結核で死ぬ・・。この作品は、エイズ・結核・マラリア対策を支援するために創設された世界基金の要請によって立ちあげた作品だ・・。結核はいまだ撲滅されていないのだい。
★★「地面と床」(作・演出:岡田利規)チェルフイッチェ
 岡田の舞台メソッドの煮詰められた作品だ。震災の復興工事の職にありついた男や、放射能汚染から外
国に移住する母親がでてきて、きわめて普通の現下日本の人物の生活が示されているのだが、それらをめぐる身体・言語表現は岡田の真骨頂的パフォーマンスで、抽象度が高い・・。削げものは極度に削ぎ、ジャコメッテイの彫刻のような舞台での強度を出現させる試みか・・・。とにかく、最後まで興味深く観たが、よくワカンナイのが正直なところ・・。

▲蜷川幸雄「演劇の力」(日本経済新聞出版社)、日経に連載した自伝とシアターコクーンと彩の国さいたま芸術劇場の演出作品のパンフレットのインタビューの集大成。ほとんど読んだものばかりだが、まとまって読むと、まさしく「演劇の力」をまざまざと思いしらされた。とくにさいたまの「ゴールド・シアター」での作品活動は高齢者にとっては他人事ではない重大関心事であり、それと若いネクスト・シアターとの連携は、唯一の現在と未来の希望である。それと自分の演出して大変だったという村上春樹の「海辺のカフカ」の脚色について”まるでヨーロッパのスノッブの好きそうな詩的前衛劇”と評していたのが・・そうだったのか・・。

by engekibukuro | 2013-12-21 09:03 | Comments(0)  

<< 12月21日(土)M紛争地帯か... 12月19日(木)★M「治天ノ... >>