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4月1日(火)「悲劇喜劇」5月号

 特集・第一回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞
先回報告した、この賞の受賞作品は、NODA・MAP-野田秀樹作・演出の「MIWA」。
 この特集は、選考委員ー小藤田千栄子、高橋豊、鹿島茂、今村忠純の選考会の記録、美和明宏、野田秀樹をはじめ、出演者の宮沢りえ、古田新太らのインタビューが掲載されている。なかでも画期的なのは、巻頭の矢野誠一「新しい賞の意義」で述べられた、”新設された「ハヤカワ『悲劇喜劇』賞」が「演劇批評文化の発展と振興」を目的としていることの具現化として、選考委員による「選評」に400字詰15枚を用意したのは、演劇批評にとって画期的なことで、演劇ジャーナリズムに一石を投じたのは喜ばしい限りだ」と書いたことの実現だ。いままで、演劇批評といえば、せいぜい、多くて400字5枚ぐらいのものだった。
 この号で選考委員諸氏が15枚に挑んで、なかなかの力作ぞろいで、一つの芝居をこれだけの枚数だと一つの芝居の全貌が明瞭に理解、イメージ、舞台の言語による再構築ができていた。この賞に「MIWA」の選考経過は、当初は選考委員が選んだ作品は、同一作品が全くなかった。それを2013年の翻訳劇ではない新作ということを強調した高橋豊さんの意見が最後に承認されたのだった。その高橋さんの「2013年は『MIWA』で決まりだった」は美輪明宏の2013年の素晴らしいリバイバルの実績を踏まえた評論でたっぷり読ませる15枚の効用だ・・。知らなかったのは、フランス文学者の鹿島茂さんが、かっては熱烈な新劇青年だったそうで、選考委員になって観劇の習慣をとりもどしたが、、現在のスペクタルな舞台、スターシステムに違和感をもったのだが、そいうもとしても野田の「MIWA」が、スターシステムの表層レベルで勝負しつつ、メタレベルで自己表現するという二重構造という定義で、「MIWA」を推奨しているのが、目の覚めるような評価だった。

by engekibukuro | 2014-04-02 09:06  

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