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7月19日(土)M 彩の国さいたま芸術劇場

 映画「ピーター・ブルックのタイトロープ」(監督:サイモン・ブルック、字幕翻訳:河合祥一郎)

 サイモン・ブルックはピーターの息子・・・。父親の稽古の現場を獲った映画だが、稽古の現場を撮る許可をもらったのは、願い出てから10年目だという・・。ブルックは稽古場にカメラが入ると、俳優が気が散ったり、邪念がもたげたりで、稽古の実像にならないといくら息子の頼みでもききいれなかったという・・。
さて、稽古の主題はタイトロープ、綱渡りをどう俳優がリアルに演劇的に渡るか、日本のヨシ笈田、イギリス、イタリア、ベルギー、マリ、インド、アメリカ、フランスのブルックのもとに集まった国際演劇センターの俳優たちがそれぞれ工夫して、綱渡りの、スタヌスラフスキー・シズテムの無対象行動、演技をそれぞれ発表してゆき、ピーターがチェックし、小返しを繰り返す・・。各アクションには、ブルックの盟友日本人音楽家土取利が多彩な楽器をを使い、フランク・クラウチックがピアノで音楽を添える・・。ただ、ブルックのチェックは観ていて、よくは専門的というか俳優たちにはことごとく腑に落ちるようだが、よく解らない・、が、その秘儀的な雰囲気を感じ、現在89歳のブルックの素晴らしい笑顔を観ているだけで満足感があるのだ・・。この楽しそうだが、厳しい稽古風景から、演劇そのものがタイトトロープ、綱渡りそのもののアートなのだと思えてくる。ブルックが”演劇というのは「オイデプス王」をPLAYする、悲劇もPLAY・遊びとして演じるのだ”というとき、当然だとおもってきたことが、ナマの厳然たる現実に人間が立ち向かう武器・手段とする営為を演劇が担ってきたことだとわかってくる。だからタイトロープなのだ・・・だと・・。アフタートークは河合さんとサイモン・・。この映画を撮るまでの内情が話され興味深かった・・・。
▲おもろ。”ごきげんよう・・”とカップルと、中川君が駆けつけてきた・・。今日は若い客でにぎわっていた・・。

by engekibukuro | 2014-07-20 09:05 | Comments(0)  

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