人気ブログランキング | 話題のタグを見る

10月14日(火)「悲劇喜劇」11月号

 特集=海外から学ぶ2014                                                  なかなか充実した読みごたえがある特集だった。
★野田秀樹ロングインタビュー(編集部・今村麻子)「海外の仕事 『半神』韓国公演を中心に」。野田は”いきなり海外に行って、いいものができるということではなくて、やっぱり日本の文化のなかで、日本語を使う演劇について、ちゃんと考えることもとても大事ですよね。海外bっかりやることないじゃん(笑)。「言葉とは何なのか」。そういうことを、自分が育って使ってきた言葉を使って、その土地の人に見せて、いいとか悪いとか、そういうことをちゃんとやってきているから・・・・やっぱりいいお芝居ができる”。と語っている。
★岡田利規「自由のための手立て」。岡田の芝居はいま海外での評価ますます高まっていて、公演要請がひきもきれない。が、日本での評価は、NYのフェステイバルで丁度別会場での公演で、野田の公演と重なり、初日が同じ日だったのでレセプションが同じ会場だったが、日本のプレスの取材は野田ばかりで、岡田のところに来なかったという。岡田は”チェルフィッチェとしても、僕個人としても、僕は今、おかげさまで楽しく、自由に。挑戦して、演劇をつくれてます。それは、僕には、日本の演劇界の外側というフィールドが、幸運にも、与えられているからです。”と書いている。
★高萩宏「演劇の国際交流ー海外公演から国際共同制作へー」。かずかずの国際交流の経験がある高萩のこれはじつに有益な論考だった。<国際交流の意義>として「文化の違いを乗り越えての共同作業が求められているのだ。演劇の国際交流こそ、限りある地球の中で、絶対に共存して行かねばならない今の人類にぴったりの藝術手段ではないか?」と書き、「イスラエルとの共同制作「トロイアの女たち」に主演していた有名な女優さんが、ラジオでパレスチナ人の役者、日本人の役者との共同作業を語たったことは、イスラエル社会の中で大きな意味を持ったようだ。そのことがすぐに社会を動かすわけではないが、役者はどの時代でも人々の代表であり、彼らがなすこと、彼らが感じることは、大衆にとって容易に追体験でき共有できる。現在の市民社会の中で、人々の気分を変えられるということはとても難しく、とてもあぢじなことだから。」と書いている。「駒場小劇場」からの野田秀樹の「嫁の遊眠社」の製作者から、東京グローブ座、世田谷パブリックシアターリの支配人、現在の徳経芸術劇場の副館長まで、日本の劇場文化の王道を歩いてきた人の、演劇への信頼を確信させる言葉だ。、

by engekibukuro | 2014-10-15 10:29 | Comments(0)  

<< 10月14日(火)「悲劇喜劇」... 10月13日M「朽ちるままに」... >>