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11月14日(金)M「透明な隣人ー8・エイト・によせ」

作・演出:西尾佳織、FES/TOKYO14,アサヒ・アートスクエア

 徳永京子・藤原ちから「演劇最強論」での注目度が高い西尾の作品をやっと観られた。この作品は今年7月にじょうえんされた「8-エイト」というパフォーマンスに寄せて創られた作品だという。この作品は、東京国際レスビアン&ゲイ映画祭運営委員会の有志が立ちあげたものだそうだ。米カリフフォルニア州での実際に起こった同性間の婚姻の合憲性を問う裁判を題材にした脚本だという。日本では同性婚は法制化される気配もないが、今回の舞台は同性間、異性間のさまざまなケースを採りあげて紹介している。同性愛といっても一概でなくてよくわからないところもある。この芝居で、レスビアンと一度結婚して娘がいる女性が同棲しているケース、男性経験がある女性がいう話に”ビアン(レスを抜かしのが通用語らしい)と私のようなノンケ(これはわかる)が一緒に住んで・・・”というのがあって、ビアン同志じゃないのかとかいぶかるのだが・・。いろいろのケーススタデイで興味深いのだが、そうもわたしのようなオールドジェネレーションには、同性婚が社会的に認められないのは何故なのかとか、もっと突き進んでの性の問題への演劇的追及だとかを欲する。この舞台では現在の若い世代の異性間、同性間の現状や、それにまつわる生活の実態などはわかるが、劇としては新しいタイプの風俗劇だと思ってしまうのだが、西尾がセンスがいい独特の才能をもつ劇作演出家であることはよくわかり、この舞台もなかなか刺激的な舞台だった。

by engekibukuro | 2014-11-15 09:16 | Comments(0)  

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