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12月18日(木)S チェルフィッチュ KAAT

「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」(作・演出:岡田利規)

 世界に冠たる日本のコンビニを舞台にした芝居だ・・。初演はドイツのマンハイム・・。どぎもを抜くのは、芝居がはじまったとたんのコンビニノバイト二人の会話のアクション、チェルフイッチェのパフォーマーの会話の時のクネクネ動作はもう周知のことだが、それはあくまで会話のサポートの表現の過剰な余波で、あくまで会話が主体だったとおもう・・。が、この舞台では、主体がクネクネアクションが主体になっていて、会話がそのアクションの要素で行かないような感じを受けるのだ・・。そのアクションの変化が異様で、ダンスのようなまとまり感のない、実に不思議な、今までみたことのないアクションなのだ。このアクションでコンビニの内情、コンビニ会社の本部からの指示、さまざまな客の生態、バイト店員に自分のわけのわからないコンビニ論をこれもヘンな動作でまくしたて、それで何も買わない客、自分のそれを食べるのが生きるよすがだったタイプのソフトクリームがなくなり、それがバージョンアップした新製品になって喜ぶが、全然違うものだったと怒りくるってクレーンムをつける女の客など・・。岡田はこの芝居のチャラチャラーをとしたコンビニの世界を”なんといってもこれは、わたしたちのチャラチャラーとした社会を象徴する、コンビニエンスストアのお話ですからね。”と言っている。コンビニの商品はペラペラの布に描かれたもの・・。しかも、岡田の芝居の特有の、一人の役者がひとしきり演じるとすぐ冷めてしまって無愛想に退場する。そしてラストの店長の、コンビニへの、本部への、そして今の日本の社会へのこれも超独特のアクション付の抗議が心を打つのだ。傑作だ!おそらく画期的な・・。

by engekibukuro | 2014-12-19 08:33 | Comments(0)  

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