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1月21日(水)又吉直樹「火花」



・純文学雑誌「文学界」を創刊いらい初の大増刷にしたという漫才師ピ-スの又吉直樹の「火花」を読んだ。漫才師の先輩と後輩の話・・。コンビではないが神谷という漫才の先輩との交流を描いたものだが、漫才師だから、お笑い調がベースになっている小説なのかなとおもっていたら、全然ちがう、お笑いの要素など全然ない、生硬なくらいのまさしく”純文学”だった・・。むしろその真摯なマジメさがおきな魅力になっている小説なのだ・・。5歳違いの先輩神谷は、語り手の後輩徳永に語る・・・。
「漫才師である以上、面白い漫才をすることは絶対的な使命であることは当然であって、あらゆる日常の行動は全て漫才のためにあんねん。だから、お前の行動の全ては既に漫才の一部やねん。漫才は面白いことを想像出来る人のものではなく、偽りのない純正の人間の姿を晒すもんやねん。つまりは、賢い、には出来ひんくて、本物の阿呆と自分は真っ当であると信じている阿呆によってのみ実現できるもんやねん」
 こういう話を酒席で重ねてゆくその神谷はあまり売れない、そのうえ漫才の世界はどんな売れない先輩でも、売れてる後でも奢らなければならない決まりがあって、だから借金を重ねて破滅してゆく・・、徳永はどうにか売れてくるのだが相方とコンビを解消せざるを得なくなって・・。とにかく、このお笑いの世界での純なカタサそのものの魅力あふれた小説の読後感はとても清々しいものであった・・。

by engekibukuro | 2015-01-22 10:37  

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