人気ブログランキング |

2月3日(火)嶽本野ばら「純愛」(新潮2月号)

 430枚の一挙掲載・・。地方から上京した大学柊木殉一朗(ひいらぎじゅんいちろう)は、一人だけの極左党を立ち上げて活動する女性・北据光雪(きたすえみつゆき)と同じごく安アパートに住む。柊木は大学のアニメ部に参加するが、北据の魅力に取りつかれてゆき、彼女にタコの形のウインナと沢庵が入った弁当を作ってもらうようになって、彼女の革命言説にもひかれてゆく・・。この小説は一種の政治小説で二人のほかにも極左、極右の組織、活動家が出てきて、それとアニメ・エロゲなどの現代風俗とからみあう、最後にはフクシマ県を原発を奪取して占拠し、柊木は新国家の天皇となる・・という一種荒唐無稽の小説だが、出てくる若者男女が魅力的で、その議論が一昔前の若者たちを彷彿とさせるマジメで純粋で、いまの若者が今の日本を彼ら流にホンキで憂い、なんとかせねばと思っている様子が浮かび上がってくるのだ・・。なんだか安心したし、柊木は最後に純愛をささげた北据の体に少しも触れず天皇の責任をとって自殺する。片山杜秀によれば、これは2,26事件を踏まえた作品だということだが、この二人が実に初々しくて素晴らしい・・。
・「すばる」2月号の中村文則と白井聡の対談で、白井がいまのイスラム国とオウム真理教との類似を指摘している・・。それと最後に原発再開のことで「3.11以降わかったのは、日本国民の大半は生物としての本能がこわれている事実・・・」と語っている。

by engekibukuro | 2015-02-04 08:15  

<< 2月4日(水) 2月2日(月)S自作自演ー飴屋... >>