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4月6日(月)M「リチャード二世」演出:蜷川幸雄

作:W・シェイクスピア、翻訳:松岡和子、演出補:井上尊晶
彩の国シェイクスピア・シリーズ第30弾×さいたまネクスト・シアター+さいたまゴールド・シアター
彩の国さいたま芸術劇場インサイド・シアター
 さいたま芸術劇場の大ホールに三方から舞台を見下ろす客席を設けた舞台・・。幕が開くと、真っ暗な舞台奥から大勢の人影が見えて、その人影が明かりのもとに近ずいてくると、その人影は車椅子に座った老齢の男女、男性は男は紋付き袴、女性はきちったした和装の正装で、椅子を押すのはこれも紋付き袴の若者だ・・。総勢60名を超えるネクストとゴールド両シアターの迫力jたっぷりのデモンストラーション・・。この偉容な陣営で演じられるシェイクスピアの戯曲は、韻文で書かれた奔放きわまるものだという・・。蜷川は”この詩的なイメージに富んだ戯曲が、どういう舞台になるのか、自分にも想像がつきません。ともかく飛躍に次ぐ飛躍で、とんでもないイメージの連続の舞台になればいいなあと思っています”という構えが実現した舞台で、和と洋の正装が瞬時に着かえられての得体の知れない男たちが官能的なダンスを踊ったり、大勢の貴族が出て権謀術数の限りをつくして王位簒奪の権力闘争の渦をまき散らす・・。内田健司が演じるリチャード二世と竪山隼太が扮するのちのヘンリー四世のヘンリー・ボリングブルックの王位をめぐる抗争が主軸だが、老若が入り乱れる舞台の展開は舞台からの勢いを受け止めるのがちょっと大変なくらい圧倒される・・。そして蜷川が育てたゴールドとネクストの俳優たちの演技力の上達が如実に感じられると同時に、今の日本の高齢者社会の高齢者と若者のあるべき係わりの姿がひしひしと感じられる舞台だったことが、年寄りにはなによりだった。

by engekibukuro | 2015-04-07 09:24 | Comments(0)  

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