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4月27日(月)第五十九回岸田国士戯曲賞授賞式

 授賞式および祝賀会が神楽坂の出版クラブ会館で行われた。
今回の受賞者は「トロワグロ」を書いた城山羊の会主宰者山内ケンジさん、現在56歳で今までで最高齢の受賞者だ。城山羊の会の舞台には若くして亡くなった深浦加奈子さんが出演して注目されていた劇団だ。
 候補作は、桑原裕子「痕跡」、田村孝裕「世界は嘘で出来ている」、古川日出男「冬眠する熊に添い寝してごらん」、山内ケンジ「ドロサグロ」、角ひろみ「囁谷シルバー合唱団」、福原充則「つんざき行路、されるがまま」、ベヤンヌマキ「男たらし」、山本卓卓「うまれてないからまだしねない」、選考委員は岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、松尾スズキ、松田正隆、宮沢章夫。山内さんはCMフイルムのエキスパート、その関係かきちっとした身なりの人が大勢参会していた。
 岩松さんの選考経過の報告、選考過程で浮上したのはこの「ドロワクロ」と古川日出男「冬眠する熊・・・」で、2本受賞という案もでたが、結局1本に・・強力推薦者は岩松さん、「いいたいことを言う芝居ではなく、いいたいことを言わない芝居」という岩松さんらしい言葉で、山内さんの受賞の挨拶で”自分は岩松チルドレン」といっていたから、まずはめでたい。お祝いの挨拶を、朝日新聞で「ドロワグロ」の公演を激賞した徳永京子さん、徳永さんの挨拶はとても見事、やさしい言葉で劇の核心をいいあて、舞台をいききと彷彿させる・・。徳永さんはアミナーからメジャーまで、区別せずに同一視点と言語語で批評する。新しいタイプの劇評家であることを、この挨拶を聞いて改めて感じたことだった。この舞台を見損なったのがつくづく残念・・。それと、各選考委員の選評を載せた小冊子に宮沢章夫さんが長文の”「達者」でない「逸脱」でもない、なにか”というとても読む応えのある選評というより戯曲論を書いていて、その立論の柱になっているのが、梅山いつきの「アングラ演劇論」(どなたか梅山さんに連絡をとれる方は知らせてください)・・。平田オリザさんの挨拶で、”青年に山内健司という俳優がいて、受賞者の山内さんと同姓同名、それで紛らわしいのでケンジになさったという話・・。KAATで松井周さんが岩松さんの初期作品「布団と達磨」の演出をしてとても良かったので、岩松さん、松井さんが並んで立食していたので、そのことを・・。それと、久しぶりに原金太郎さんに会う、今、美輪明宏の「黒蜥蜴」に出ているとのこと・・。

by engekibukuro | 2015-04-28 10:36 | Comments(0)  

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