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6月13日(土)M「ジョバンニ」Pカンパニー

作:別役実、演出:林次j樹、シアターグリーン
 ジョバンニの父役の西本裕行が急死して、この役は側見民雄が演じることになった。この芝居は初見で、別役作品では異例の長さで かなり重い余韻がのこる芝居・・・。無論、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」からの別役流の変奏だ・・。”宮沢賢治の父との関係は、賢治という人物のありようを確かめるに当って、無視できなところであろう。氏自身の実生活もさることながら、作品の中でも氏にさまざまなか形で、その様相を物語っている。”と別役は述べている・・。開幕、銀河鉄道の”駅”の傍らのベンチ、そこに座っているジョバンニの前を子供を背負った女が歩いてきて、ハンカチを落とす・・。このハンカチのネームにはジョバンニの名が・・。このハンカチの持ち主を巡って、別役流の不条理な空気がむくむくと漂いだし、ジョバンニ、ネグリ、さらにカンパネルラへと「銀河鉄道の夜」のお馴染みの人物が出没してくる・・。無論、ジョバンニの父も母も、街の人も、さまざまな出来事が錯綜し、ネグリの死をめぐって、話が不可解な深みにいたり、舞台には形而上的恐怖のような様相と空気が舞台に張りつめてくる。この芝居別役作品の上演を主体にしえtきたPカンパニーの舞台では、最高の達成だとおもう。さらに、別役作品が役者としても、演出家としても命ともいうべき林次樹の快心の舞台になったことを喜びたい!・・。
・評判の中村文則「教団X」を遅ればせに読む・・。600ページに近い本だが、難解な宗教論、素粒子論とポルノに近いセックスシーンが併存した不思議な小説、なかでは、教団の幹部が198年から1945年の敗戦までに日本の政権が17回も代って、日本を敗戦にみちびき、めちゃくちゃな国策と作戦で、膨大な兵士と国民を死なせてきたことを糾弾する迫力が印象的だった・・。だが、この教団はよくわからない。というより、この作者にはオレは不向きなのだろうな・・。
・おもろ、誰も来ない、一人でもくもくと吞む・・・。

by engekibukuro | 2015-06-14 08:40 | Comments(0)  

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