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6月25日(木)S「二都物語」(作:唐十郎、演出:金守珍、美術:宇野亜喜良)

新宿梁山泊、新宿・花園神社境内特設紫テント
 先ごろ亡くなった扇田昭彦さんが、この公演のチラシに書いている。
”唐十郎が状況劇場の紅テントで「二都物語」を初演した時の衝撃は今もよく覚えている。43年前の1972年4月、場所は上野・不忍池の水上音楽堂だった。唐十郎はこの作品を、韓国での初演を念頭において書いた。事実、状況劇場はこの年の3月に戒厳令下のソウルで、詩人・金芝河らの協力を得て、この作品を秘密裏に上演した。上野の水上音楽堂でまず驚いたのは、不忍池を朝鮮海峡に見たて、大久保鷹らが演じる「元日本兵」の密航者たちが冷たい池の中を泳ぎ、ずぶぬれのまま舞台にはい上がってきたことである”。
この舞台を私も観ていて、唐作品での最高の観劇だった・・。その特別と、どうしても比べることを避けるためには、ありがたいことにこの舞台に大久保鷹が出ていて、鷹さんのアングラ演劇最後の生き残りの、まだ濃厚に残しているテイストを味あうことに専念したのだった。演出の金守珍は水をふんだんに使ったスペクタクルで若い客を喜ばせていた。初演に根津甚八が演じた役を、唐の息子の大鶴義丹が演じた。カ-テンコールで唐があいさつした。

by engekibukuro | 2015-06-26 08:53 | Comments(0)  

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