7月12日(日)

黒井千次著「老いの味わい」(中公新書)を読む。

やまほど”老い”の本が出ているが、ほんとうに共感できる本というのはあまりいない・・。この本も老いのさまざまな現象を取りあげているが、面白くない、ユーモアのかけらもないし・・。
これはもしましたら、偏見かな・・。黒井は数々の賞を受賞した小説家だが、この人、私の母校、目白小学校の先輩だときく・・。1932年生まれだから、四つ違いか。これは戦時中の学童の集団疎開での6年生で、わたしが2年生・。目白小学校は長野県の志賀高原のふもとの上林温泉だった・・。一室に2年から6年までの生徒がひとりずつ寝起きするシステムで、この時代、食料が少なく、生徒はひもじい毎日だった。
だから、6年生が下級生の食料を収奪する、毎日の食事を半分とりあげ、下級生の親が差しいれに訪れると、その食料の差し入れを親がかえった途端に取り上げる。これは軍隊の上級が下級をいじめぬくのと同じで、毎日もうひどいひどい思いで過ごしていた・・。先生も6年生の横暴をみてみぬふりで・・。だから、このそのときの6年生を、6年生だというだけで許せなかった・・。戦争が終わって、その直接の自分の部屋の6年生に出会った・・。猛烈に抗議する気持ちがむくむくしてきたのだが、向こうはニコニコして挨拶しやがった・。それで気を抜かれてしまったのだが、いまでもそのとき抗議しなかったことを悔やむ・・。この6ひどい年生を殺すミステリーを書こうとしたくらいだ・・。だから、この6年生のオザワ以外の、6年生全部に悪感情をもち続けてきた・・。まあ、逆恨みみたいなものだが・・。黒井がそういうひどい6年生だといういわれはまったくないのだが、まだ自然に”あの時の6年生か”かと思ってしまう。これは小林信彦さんの、いまは愛読しているが、一時は読まなかったかった。6年生だから・・・。

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by engekibukuro | 2015-07-13 07:58 | Comments(0)  

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