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7月15日(水)S「贋作幕末太陽伝ー映像都市2015-」(作・演出:鄭義信)

椿組花園神社野外劇30周年記念公演

チョン・ウイシン(鄭義信)は現代日本を代表する劇作家・演出家だが、映画の分野でも優れた業績を挙げている。特に名高いのは崔監督の映画「月はどっちに出ている」のシナリオで、数々の賞を受賞している。もともと若いときは撮影所のスタッフとして働き、映画も山ほど見ている・・。そのウシシンが自分の映画の現場体験、映画の教養を全部さらけだしたような映画のパラダイスが、花園神社の野外劇場に現出、面白いエピソードがどんどん展開されて、総勢40人の男女優が舞台にひしめいて、20人のスタッフのめまぐるしい舞台転換も見事だった。芝居の軸は宮島健が扮する老監督の映画の現場の無茶苦茶な現場のなりゆきと、地方のさびれた映画館のエピソードとの交差だ・・。そういう芝居のなにを目当てに見るか・・自然と興味は役者、それも昔から見ている役者だ・・。まず、伊東由美子と水野あや、この二人、いがみあう老婆役ででてくるが、もうやたらに面白い、役者の天性の才能はもう歴然としている。伊藤は劇団離風霊船の重鎮女優、この劇団は伊東といまはテレビで売れっ子の高橋克実の双璧がいた劇団で、高橋は劇団を離れたが、伊東は現在も劇団で頑張っている。その伊東の芝居をこの芝居で堪能できた・・。それと水野あやは大谷亮介が主宰していた東京壱組の女優だったころからのファンだったから、この二人のコンビは嬉しかった。それと、いまはさぶれた映画館のエピソードでのもつれた中年の男女の恋情の行く末の話での松本紀保の上質の哀歓あふれる演技、さらにその弟の映画館の主でシナリオライター志望だった男を演じた下元史朗、この人はピンク映画全盛時代の売れっ子俳優で、山本晋也監督などあとに大成した映画監督の出発点だったころのピンク映画の俳優で、もう一人の売れっ子はは今はもう立派な俳優の転形劇場時代の大杉漣だった。それとしばらく観なかった沖田乱、元気で変わらぬ怪演技が見られてホントに嬉しかった!

by engekibukuro | 2015-07-16 09:36 | Comments(0)  

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