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7月29日(水)


 東京芸術劇場の今年の「芸劇フェステイバル」 ラインアップに、10月にカントール生誕100年記念企画という項目があった。1982年の8月に、富山県利賀村で開催された第一回に世界演劇祭でカントールが主宰する劇団クリコット2の舞台「死の教室」を観た。衝撃的な舞台だった。翌年出版されたタデウシュ・カントール著、松本小四郎・鴻英良訳「死の教室」をひっぱりだし、再読・・。鴻さんの解説がいい・・。”かくして、カントールの舞台に登場する人物は、怪しげな、詐欺師めいた人々であり、舞台の上にあるものは<最下等のオブジェ>と名付けられうようになる<貧しいオブジェ>となったのである。そして、俳優もまたこの貧しい、最下等のオブジェであった。それゆえ舞台の上に置かれているのは、何か生活のなかから取られてきたものであるが、使い古された残骸であり、あるいは漂着物であった。そのなかで俳優の特権も剥奪されていった。生の意味は、現実の流動性は、生の不在を通して表明される。”

・藤谷治「恋するたなだ君」(小学館)。いまの世の中で、布袋様に翻弄されるが、最後に布袋様が成就させこ恋物語。ほんとにフシギな小説を書く人だな、暑さしのぎには最高だし・・・。

by engekibukuro | 2015-07-30 10:24 | Comments(0)  

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