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8月28日(金)M「滝沢家の反乱」加藤健一事務所

作:吉永仁郎 演出:高瀬久男(代行 加藤健一)本多劇場

 全98巻「106冊におよぶ、28年かけて書いた「南総里見八犬伝」の作者、滝沢馬琴と息子宗伯の嫁お路との交流を描いた、もうきわめつけの作品の再演。馬琴が加藤、お路が加藤忍、宗泊は病弱のひきこもりで、女房お百は強度のヒステリー、この宗泊とお百は声の主演で、風間杜夫と高畑淳子。馬琴は執筆、それに家計のためにお路に薬をつくらせらせ売り、庭の葡萄も売る。馬琴を助けてお路は献身し、晩年馬琴が目が見えなくなったときには、漢字を覚えながら口述筆記をして、「南総里見八犬伝」を完成させる。二人が気が休まるのは屋根に上って月や星を眺めながら話をすること・・。この屋根の上のシーンが、この芝居の見どころで、屋根の下の暮らしの息をつぐおがやっとのタイヘンさからホットするのだ。初演の骨格を創ったのは今年かえすがえすも惜しい早世してしまった高瀬久男。加藤の「『滝沢家の内乱』初演の思いで」から・・。
「高瀬久男さん亡き今、初演の思いではやはり彼の演出につきますね!!的確で緻密、それでいて役者にとことん優しい高瀬演出は、僕をはじめ多くの舞台役者の心に深く焼き付いていることでしょう。高瀬さんほど人間を、そして人生を深く、まっ直ぐに見つめられる演出家はいません。
 私が36歳、高瀬さんが28歳の時に初めて出会って仕事をして以来30年に及ぶ付き合いでしたが、本当に惜しい戦友を亡くしました。今はただご冥福をお祈りするばかりです。 合掌」

by engekibukuro | 2015-08-29 10:07 | Comments(0)  

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