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9月29日(火)長井和博「劇を隠すー岩松了論」

 上記気の本が長井さんから送られてきた(勁草書房刊)。長井さんは新潮社の編集者で、「芸術新潮」」の編集長も務め、1年前に定年退職された。私とは90年代に、小森収が刊行した「初日通信」関連の仲間で、芝居仲間だった。今回書かれたこの岩松論も、その初日通信に連載されて、一部は「シアターアーツ」に掲載されたものが基本になっている。
 ”一九八六年の十月十八日土曜日の昼に、私はじつにひしぎな芝居に出会った。岩松了の「お茶と説教」である。・・・芝居を見ながらあれほど茫然として、茫然としながらあれほど深い感銘に巻き込まれていったことはない。「反ドラマテイック・アイロニーのほうへ」(初日通信掲載時のタイトル)はその感銘の由来をいわば論理化するために書かれた”「あとがき」より。
 ★1986年、それは静かな事件だった。観客を笑わせまいとする喜劇「お茶と説教」から、フロイトからラカンをくぐり抜けた無意識劇「市ケ尾の坂」へ。現代演劇の鬼才・岩松了の隠蔽の詩学を読み解く・・。(帯惹句)
 この論考はいわば岩松了論の基本、定版である。このことは、私は岩松本人に確かめたことがある。岩松ファンのみならず現代日本演劇に関心がある人は、ぜひ読むべき本だと思う。私も、新しいタイトル「劇を隠す」と銘打たれたこの本を、改めてしっかり読もうと思う。

by engekibukuro | 2015-09-30 08:57  

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