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10月23日(金)M「黄色い叫び」(作・演出:中津留章仁)

中津留章仁LOVERS 上野ストアハウス 日韓演劇週間

 この芝居は、東日本大震災のわずか一ケ月後の4月15日初演された。もともと、震災とは異なる内容の芝居だったが、急きょ大震災に関連させ、自然災害、この芝居では台風の災害を中心にした芝居にした。中津留は”原発事故によって、人々の心は、完全に拠り所を失っていました。私は劇作家として、こういうときだからこそ、人々に何かの思想や価値基準を表現しなければならないと思っていました。”とこの芝居について記している。この作で、中津留は紀伊国屋演劇賞(個人賞)、読売演劇大賞(優秀演出賞と選考委員特別賞)を受賞した。舞台は海沿いの過疎の町の青年団のメンバーの話、颱風襲来の予報のなかで、この秋の祭りをするのかどうかという話や、この街の災害予防の殺微の不備の話を中心にして、マンエバー個々のプライベート話とかが混入して会議はちぐはぐに・・・、だが、このメンバー個々の性格やつながりを横並びに同席させながら描くさまの的確さや、その話の推移の面白さyは抜群で、さすが中津留と思わせて、この再演を観ても感服した。だが、この町が日本のどのあたりかとか、言葉が全くの標準語で、ローカリテイが一切感じられない・・。だから、この芝居で提出される問題群が一般的なものになってしまい、颱風を乗り越え得て、それで問題が明るい方向に行くという結末も含めて、あの時期には身につまされたのだが、どうも今回は、そのてんに物足りなさを感じた。今年の夏、中津留は「そぞろの民」という秀作を書いたが、この人の振幅の広さを改めて感じたことだった。

by engekibukuro | 2015-10-24 10:04  

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