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1月7日(木)★M「十一人の少年」★★S「元禄港歌」

★作:北村想、演出:柄本明、劇団東京乾電池、ザ・スズナリ
 劇団東京乾電池創立40周年記念プレ公演。
 舞台に十一人の少年が出ては来ない・・・。ヘンな空き地にの上手にマンマルの青いサングラスをかけた盲人の女がいて、この女を中心に芝居は動くようだ・・、この空き地は会社の演劇部の寄合がある、会社員の家にも変貌する、その会社員の演劇部の人間が口にするのが”十一人の少年”と名前の芝居だと知る・・。それも不確かだ・・・、とにかくワタシには、この芝居は正直、なにがなんだかわからない・・。飛躍に次ぐ飛躍でおさまりどころが分からない。だが、わかるのは、柄本が大事に大事にこの芝居を創っているなという感触だ。そしてそれだけ、面白いか面白くないかは別にして、どの場面も充実していて、役者も懸命で、百戦錬磨の柄本がこれだけ芝居の標準など度外視して舞台に賭けるナイーブな情熱に感動するのだ。
★★作:秋元松代、演出:蜷川幸雄、シアターコクーン
ー千年の恋の森ー、開幕、美空ひばりが歌う「元禄港歌」が劇場を震わせ、辻村寿三郎が遣う人形が薄明の舞台に浮かび上がる。初演は1998年・・。この芝居は、なにより役者の芝居、眼目は役者の演技だ。中心はゴゼの座元糸榮を演じる女形での市川猿之助、それと並立する、播州の廻船問屋筑前屋の長男信助を演じる段田安則、その恋人ゴゼ初音の宮沢りえ、次男の万次郎の高橋一生、その恋人ゴゼの歌春の鈴木杏、父筑前屋平兵衛の市川猿弥、母お浜の新橋耐子、この主要キャストが「葛の葉伝説」にまつわる母と子の哀話を芯にした物語を進め、盲目のゴゼの一座の興業とと港町の喧噪が一体になる。不条理なアクシデントで信助が盲目になり、別の事件で歌春が自害する。この悲しい舞台で、猿之助の歌舞伎の型に由来する激情の抑制が感動を与え、舞台にポツリ、ポツリと間断なく落下する、女の血、港町の明るさをも思わせる椿の花が、悲劇を鎮める鎮魂歌ならぬ、鎮魂花として舞台に決定的に作用していたのだった。

by engekibukuro | 2016-01-08 10:39  

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