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5月23日(月)M「悪魔を汚せ」作:高木登、演出:寺十吾

鵺的 駅前劇場

 恐ろしい芝居だ。ある家族の物語だが、この家族複雑に入り組んでいて、秘かな殺人が起こり、近親相姦
が暴かれ、最後には放火まで・・・。、ここまで徹底した救いのない芝居は初めて観た。この容赦ない暗い芝居を書く高木の蠱惑力に惹かれてだろう、客席は満員・・。しかもラストに家族の中で、一番若い悪の権化のような女が、”私はこの家に生まれてほんとうによかった。”という台詞が、カタルシスを産むのが、一種の不思議な救いになっている、独特の舞台だ・・。

・今村麻子さんから「SPAICE」という媒体に書かれた、蜷川幸雄さんへの追悼文が、送られてきた。
雑誌の仕事で、蜷川さんに三回「馬鹿野郎!」と言われたそうだが、それは親密感を表す独特の言葉のようだ。そして、”ちょうど一カ月前、シェイクスピア・フェステイバルに招聘された「リチャード二世」を観にルーマニアのクライオーヴァに行ってきた。蜷川さんが作った、さいたまネクスト・シアターとさいたま・ゴールドシアターは最高の舞台を届けた。スタンデイングオベレーションが16分続いた。蜷川さんに伝えたかった。”
 「リチャード2世」は、今年早川書房の「悲劇喜劇」大賞も受賞した。自分の作った、さいたまのネクストとゴールドのシアターの舞台が、素晴らしい栄誉に輝いたこと、亡くなったことはほんとうに残念だが、せめてもの慰めとしてこの「リチャード2世」の成果をを記憶しよう。!

by engekibukuro | 2016-05-24 10:06 | Comments(0)  

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