6月28日(火)「桜チラズ」作・演出:市村直孝

劇団AUN シアターグリーン

 吉田鋼太郎が主催するAUNの公演だ。吉田がほれ込んだ市村直孝の三作目の作品。
日本の底辺で苦闘する戦後の民衆の歴史、人々を描いた作品だ。吉田だが扮する和田鶴松は、小さな鉄工所を経営している。鶴松は、戦時中飛行場の整備に従事して、生きて生還して鉄工所を開業したが、従業員5人のごく小さい、大きな工場の下請け仕事をしているが、戦後の景気の波に翻弄されて、四苦八苦して歳をとってゆく・・。息子が継ぎ、孫も継ぐのだが、バブル景気のあとの不況でつぶれてしまう。最後の孫は、工場の苦労と妻の死でアルコール中毒になり、街を彷徨して廃人のようになる。この芝居は、和田一家を中心に、工場の職工や、アルコール中毒患者たち、日本の底辺の人々の暮らしをやさしく、丁寧に描き、戦後の日本を包括する視線をもち、登場人物の一人々を生き生きと描いている。吉田が、この作者市村にほれ込んでいることがよくわかる芝居で、稀代のシェイクスピア役者の別の側面を見せているのだ。
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by engekibukuro | 2016-06-29 07:32 | Comments(0)  

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