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10月7日(金)S「るつぼ」シアターコクーン

 作:アーサー・ミラー、翻訳:広田敦郎、演出:マイク・ブリットン
 いわずとしれた、今でも世界各地で上演されている名作だ。アメリカのピューリタンの戒律が厳しいニューイングランドのセーレムで、農園の主人が、妻の身重のとき、魔が差して手伝いの若い女に手を出す。それをしった妻が、その女を解雇する・・、それを恨んで、その妻がサタンのいうことを聞く魔女だと言いふらし、仲間を集めて呪いの踊りを踊る・・。それが教会にしれて、魔女裁判が始まる。些細な悪意が、宗教を利用して、その土地と人間がめちゃめちゃめに崩壊する。現代では無縁の話だとは言えないとは、この劇が訴える底の深さがそれを語っている。魔女狩りの狂騒のクライマックスはたいへんな迫力のあるシーンの連続で、主演の堤真一、松雪泰子の夫婦の好演が光る。名作の力の偉大さを改めて感じた。
・85歳の渡辺京二「さらば、政治よ 旅の仲間へ」(晶文社)を読む。集団的自衛権への安倍内閣への抗議で、”戦前への回帰”だという抗議は間違っていると語る。現在のほんとうの問題は、全然別のところにある、そこからの抗議でないと真の現実はみえてこないと。熊本地震で被害にあった話もたいへんだが、まだまだ長生きしてほしい人だ。

by engekibukuro | 2016-10-08 07:57 | Comments(0)  

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