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11月1日(火)S「かもめ」東京芸劇プレイハウスげいげき当局当局

作:アントン・チェーホフ、翻訳・上演台本:木内宏昌、演出:熊林弘高

 ニーナが満島ひかり、トリゴーリンが田中圭、トレープレフが坂口健太郎、そしてアルカージナが佐藤オリエ、ほかに渡辺大和、あめくみちこ、山路和弘、渡辺哲、小林勝也、中嶋智子と豪華キャストの「かもめ」である。とくに、満島はじめ、若い俳優が主力のため、チェーホフの芝居には珍しいくらい若い観客が大勢観に来ていて、2階席まで満員だ。
 演出も斬新で、いままで新劇の「かもめ」を観てきたものにはちょととまどう。舞台は部屋の区画はなく、湖もとくに感じさせない、芝居の流れそのものが重視されて、登場人物の登退場も、既成のイメージとはちがう。とくに、大詰のラストシーンのトレープレフとニーナの最後も二人が会うシーンは、普通、ほかの人々が隣の部屋にいて、隣とのカギをしめての密会なのだが、今回はほかの登場人物全員が、2人の密会を、後ろのエリアで椅子に座って黙って見ている・・。その場面でニーナが去ると、雑然とした場面になり、不幸になったニーナが、今でも彼女をふった作家のトリゴーリンを愛していると知ったトレープレフが自殺した銃の轟音が舞台をゆるがすように響きわたる・・・。すべてがうまくいっていったとは思えないが、新しい「かもめ」であることはたしか。今までの日本の新劇の定型をくずして、若い観客にも届くチェーホフ劇が成立していた。チェーホフは永遠だ、時代によって新しく蘇るのだ・・・。

by engekibukuro | 2016-11-02 07:28  

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