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1月5日(木)S「ゴドーを待ちながら」

作:サミュエル・ベケット、演出:柄本明、ザ・スズナリ

 柄本佑・柄本時生の兄弟のユニット「ET×2」が企画した公演。
柄本兄弟の人気だろう、劇場は超満員、私の本年初芝居、兄弟の熱気が伝わってくる芝居で、新年早々良い舞台を観た。むろん、ひたすらゴドーを待つエストラゴン(ゴゴー)、ウラジミール(デイデイー)の二人の芝居・・。トシだから、種類の違ったこの芝居は、何回も観ている。今回の舞台の特筆すべき見どころは、ゴドーにまつわる、いままでの多かれ、少なかれいわば”不条理劇”という新劇臭さが全く払拭されていること・・。だからといって、そこが浅い芝居になっているわけではない。一番今回の舞台で驚いたのは、谷川昭一朗が演じるラッキーの、”考え"をしゃべれと、主人ポッツオに言われて、わけのわからない難解な長広舌をしゃべる有名なシーンがある。演じる谷川は、私は現在の演劇界では有数の名優だと思っていたので、この長広舌を期待していたのだが、柄本演出は、しゃべりはごく軽くして、このシーンを縄跳びのシーンにしたのだ・・。谷川のしゃべりで、若い二人の芝居が目立たなくなってしまうのを避けたのかもしれないが、谷川のラッキーはそれなりのきっちりした存在感は確保されていた・・。とにかく柄本兄弟の懸命の演技から、ゴドーというわけのわからない人物を待って、とにかく一生懸命に生きているゴゴーとデイデイーと我々の毎日と同じだと思わせるものがあったのだ・・。それに、”女が墓場の石に子を産んで、世界があった”というようなセリフはきっちり心に残った・・。不確かな見方かもしれないが、正月早々良い舞台を観て、満足だった・・。

by engekibukuro | 2017-01-06 10:08  

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