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1月22日(日)



 ・高村薫「土の記」(上下)の(上)を読み終わり、(下)にかかる。奈良の農村の話。元会社員で
大きな農家に婿入りした男の話・・。農家の仕事を妻に教わりながら覚えて、農民として暮らすようになるのだが、あるとき妻を交通事故で亡くし、今は一人暮らし・・。娘がいるのだが、なかなかの秀才で、慶応大学を出てアメリカへ留学、東京に戻って結婚して娘を生む・・。
 この小説は、毎日の田や畑にでての仕事の生き生きした描写がとても読みごたえがある。農作業というものの大変だが、毎日の変化の精彩ある暮らしの諸相を描いて、当人は70歳を越えたのだが、こういう生活もあるのかと、とても新鮮だ・・。この男、なかなかの読書家でもあり、夜の暇の時間には江戸の洒落本などを読んでいる・・。いまは、ちょうど東日本大震災のときの、この奈良へ波及のところを読んでいる。久しぶりの高村の小説、読み進むのが本当に充実した時間だ・・。 

by engekibukuro | 2017-01-23 09:58 | Comments(0)  

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