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2月1日(水)S「ダークマスター」庭劇団ペニノ

原作:狩撫麻礼、脚色・演出:タニノクロウ、こまばアゴラ劇場
 この芝居、とても奇妙な観劇方法を用いられる。椅子にイヤホーンがおいてあり、それを隣の席の人と共有する。私の隣は河合祥一郎先生で安心した。このイヤホーンを耳にさして観劇する。舞台は、町のさびれた洋食屋、椅子に一人の男が座ってウイスキーを飲んでいる。客は誰もいない。そこにバックパッカーの若い男が入ってくる。椅子に座っている男は店主で、もう店じまいだといって帰させそうにするが、男がなら水一杯だけでもというので、水飲み場で水を飲ませる。ところが、男が帰ろうとすると店主は引きとめる・。どうせ、ほっつき歩いて旅しているなら、ここで料理を覚えろと、なかば強要する・・。男も少し興味を覚えて、ひとつぐらいならと・・。ところが店主は2階に上がってしまい、男にイヤホーンを渡す。2階からイヤホーンで調理場にいる男に料理の基本を教えるのだ。その2階からのからの料理指南を客はイヤホーンで男と共有するのだ。料理をすこしやる私も、その、コロッケやオムライスの作り方を覚えようとしたくらいだ。そこへ、初めての客がくる。男は2階からの指示どうりに作り、客はとてもおいしいといって帰っていった。その方式で料理をつくり、店は評判になり、客が絶えないあ店になる。中国人の客などはチップを10万円おいてゆく・。タニノはこの原作の漫画について、”これは資本主義社会の支配/被支配体系をユニークに表現した作品だという・・。2階からの指示どうりにやると繫栄するということだろうが、ラストに閉店後に客がきて、水を飲ませるというファーストシーンと同じシーンで終わる。こんどは、いまの店主が2階にあがるのだろう・・。芝居としては、と云々するより、とても面白いお話だということが優先する舞台だった。。

by engekibukuro | 2017-02-02 10:13 | Comments(0)  

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