人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2月2日(木)


。アンソニー・ドーア「すべての見えない光」藤井光訳 新潮社

 ”人生には自分でえらべないものがたくさんある。たとえば、この小説の主人公であるマリー=ロールというフランスの少女は目が見えない。ヴェルナーというドイツの少年は大戦に巻き込まれる。悲惨とぎりぎりの彼らの運命をその時々に救うのは、貝殻や桃の缶詰、無線で行き交う声、いわばモノだ。それに少数の善意の人たち。遠く離れた少年と少女は少しづつ近づき、一瞬の邂逅の後、また別れる。波瀾と詩情を二つながら兼ね備えた名作だと僕は思う。”
 池澤夏樹の書評だ。わたしもそう思う。

by engekibukuro | 2017-02-03 07:15 | Comments(0)  

<< 2月3日(金) 2月1日(水)S「ダークマスタ... >>