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2月5日(日)


 毎月、朝日新聞の片山杜秀の文芸時評の「今月の注目作」を読むようにしている。ほぼ三作だが、一作は必ず読むことにしている。今月は、・羽田圭介「成功者K」(文芸春号)、金子薫「双子は驢馬に跨って」(文芸春号)、松浦理英子「最愛の子ども」(文学界2月号)320枚。そのうち、「最愛の子」を読んだ。女子高校生の話で、親や教師や男子生徒の重圧が、彼女たちにアジール(避難所)を作らせる。そこで、「ごっこ」を始めるのだ。舞原日夏がパパで、今里真汐がママで、薬井空穂がこども。この家族ゲームを片山はジャン・ジュネの「女中たち」を想起する。この着眼点がおもそろい。「女中たち」の奥様ごっこは、ここでは家族ごっこで、それが彼女たちが感じている重圧感を開放するのだ。この小説にジャン・ジュネを思い起こす批評に感心した。羽田圭介「成功者K」560枚は、途中でギブアップ・・。いつか続行しよう・・。

by engekibukuro | 2017-02-06 09:21 | Comments(0)  

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