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2月15日(水)M「座頭市」

 脚本:リリー・フランキー、演出:三池崇史、EXシアター拝六本木

 六本木歌舞伎第二弾である。今回は市川海老蔵と寺島しのぶの顔合わせという大目玉公演で、この二人を今やマルルの売れっ子リリー・フランジーが今までの座頭市にとらわれない脚本を書いて、三池のペクタクルが舞台を生動させる。、そしてその舞台を海老蔵が自分の宇宙のような自然な支配力で座頭市を演じて、あるやまもしれぬ六本木遊郭の花形女郎と薄幸の座頭市と同じ盲目の女の二役を寺島が演じる。菊五郎の娘に生まれて、女性だから歌舞伎役者になれね宿命を、六本木歌舞伎という晴れ晴れしい名称の舞台に出演して、ひときわ際立った舞台姿を見せて面白い異色な舞台だった。なにしろ、海老蔵の座頭市は、博打でも独り勝ち、かかってくる奴らが短銃で撃っても弾を刀で弾き飛ばしてしまう、太立ち回りもむろん派手なひとり勝ちで、それがことさららしい強さでなく、あくまで舞台の自然ななりゆきとして客の心にとどくのだ。さらに観客サービスも怠りなく、しばしば当人が客席におりてきて、客に話しかけて、さらに歌舞伎で珍しいカーテンコールでは、寺島と二人で客席におりで、一回りする、客は大喜びで六本木歌舞伎はさらに盛り上がったのだった。

by engekibukuro | 2017-02-16 09:58 | Comments(0)  

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