2月16日(木)M「お勢登場」
作・演出:倉持裕、シアタートラム
この作品は、江戸川乱歩の短編群を倉持が合成させたもので、それを美術の二村周作が、アクロバットな転換が見事な、ミステリアスな雰囲気を醸成させる装置をこしらえた、乱歩の雰囲気を完掘させた舞台だった。乱歩の短編のうち、<本格推理もの>では「二銭銅貨」、「二廃人」、「D坂の殺人事件」、<怪奇・幻想もの>では「お勢登場」、「押絵と旅する男」、「木馬は廻る」、「赤い部屋」、「一人二役」、以上の作品を合成組織させた芝居だ。そして、お勢を演じたのは、黒木華。このお勢をめぐる人物を演じるのは、芸達者な寺十吾、梶原善、千葉雅子などだが、中でも目だったのは片桐はいり。髭をはやした男役の警官も演じるのだが、ひときわ目立った演技だった。片桐は、生田萬と銀粉蝶夫婦が主宰した「ブリキの自発団」という80年代の小劇場出身だが、そのころは体は大きかったが声が小さくてな客席に届きにくい女優だったが、独特な風貌が強い印象を与えていた・・。その後、松尾スズキの芝居などで頭角を現し、岩松了作演出の片桐の一人芝居「ベンチャーズの夜」でたしかな位置を固めた・・。今回の舞台では、風格さえ感じさせる立派な女優になったと感じさせた舞台だった。
この作品は、江戸川乱歩の短編群を倉持が合成させたもので、それを美術の二村周作が、アクロバットな転換が見事な、ミステリアスな雰囲気を醸成させる装置をこしらえた、乱歩の雰囲気を完掘させた舞台だった。乱歩の短編のうち、<本格推理もの>では「二銭銅貨」、「二廃人」、「D坂の殺人事件」、<怪奇・幻想もの>では「お勢登場」、「押絵と旅する男」、「木馬は廻る」、「赤い部屋」、「一人二役」、以上の作品を合成組織させた芝居だ。そして、お勢を演じたのは、黒木華。このお勢をめぐる人物を演じるのは、芸達者な寺十吾、梶原善、千葉雅子などだが、中でも目だったのは片桐はいり。髭をはやした男役の警官も演じるのだが、ひときわ目立った演技だった。片桐は、生田萬と銀粉蝶夫婦が主宰した「ブリキの自発団」という80年代の小劇場出身だが、そのころは体は大きかったが声が小さくてな客席に届きにくい女優だったが、独特な風貌が強い印象を与えていた・・。その後、松尾スズキの芝居などで頭角を現し、岩松了作演出の片桐の一人芝居「ベンチャーズの夜」でたしかな位置を固めた・・。今回の舞台では、風格さえ感じさせる立派な女優になったと感じさせた舞台だった。
by engekibukuro | 2017-02-17 10:07 | Comments(0)