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3月28日(火)M「亡国のダンサー」

作・演出:佐藤信、劇団黒テント、ザ・スズナリ
 佐藤信が2003年以来14年ぶりに劇団に書き下ろした新作だ。創立メンバーの服部吉次が主役で、20代から70台まで約20人が出演。小部屋に押し込められた男の話と、曽我入鹿が中大兄皇子と忠臣鎌足に暗殺された政変「乙巳(いつし)の変とが交錯、物語を形作る。佐藤は「正体不明のザワザワした居心地の悪さを劇にした」と言う。(「朝日新聞」インタビュー)。並行して、小部屋に押し込まれた「わたし」(服部)が陰謀に巻き込まれる話が展開する。暗証番号や本人確認などの用語が登場、情報化社会に翻弄される姿を描いた。佐藤は「現代にいろいろな側面からスポットを当てた芝居」と話すが・・・。なかなか観ていて難解な芝居で、それは佐藤独特の難解さで、それは昔から変わっていない・・。解る、解からないを凌駕した佐藤の芝居の独特の現代感覚が昔からの魅力なのだ。その証拠だというか、劇場は超満員、佐藤・黒テントのファンは健在なのだ。
 ・「因幡屋通信」(宮本起代子芝居噂)2017年55号が出た。今号は、劇団フライングステージの「FamilyFamiliar 家族、かぞく」(関根信一作・演出)と朗読劇「季節が僕たちを連れ去ったあとに」山田太一編「寺山修司からの手紙」(広田淳一構成・演出)を取り上げている。そして2016年 因幡屋演劇賞は★文学座四月アトリエの会、H・イプセン作、稲葉賀恵演出「野鴨」、★劇団文化座宮本研作、米山実演出「反応工程」、★スタジオソルト×マグカル劇場、椎名泉水作・演出「7・2016verー僕らの7日目は、毎日やってくる」、★劇団フライングステージ(前述)★文学座有志による企画公演久保田万太郎作、生田みゆき演出「霙ふる」の5本。「野鴨」が一位なのが嬉しい。「因幡屋通信」連絡先、inabaya@leaf.0cn.ne.jp
なお「悲劇喜劇」5月号でも、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞選考委員の加島茂が、年間回顧で「野鴨」を評価し、稲葉賀恵の演出力を評価していた。「野鴨」私の年間ベスト1なので嬉しいい限りだ。
・「亡国のダンサー」の観劇後、谷岡さんとお茶をした。

by engekibukuro | 2017-03-29 08:27 | Comments(0)  

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