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11月19日(日)ゲンロン 5 東浩紀編 特集「幽霊的身体」

鈴木忠士の利賀村にそうそうさたるメンバーが集まっての、セミナーの記録が主体だが、それとは別の鴻英良の「虚体、死体、そして<外へ>-二十一世紀のダンスの理念に向けて」が妙味深い論考だった。鴻は写真家細江英公の尾大野一雄の2010年6月1日の大野の死に際しての弔辞「大野一雄先生へのお別れのことば」からの一節を引用している。おれは大野が病床の埴谷雄高を訪れたときの記録で、埴谷は病床で「死霊」最終章の執筆の最中だったのだが、「そのとき枕元で大野一雄さんが即興の舞踏を捧げるのだは、舞踏のあと、埴谷は大野さんあなたは雄もやったことのない未来に向かって第一歩を踏み出しています”と話されたことがことがとても印象的でした。」この引用から、大野と埴谷の交流を初めて知った。鴻は、埴谷の「死霊」と大野の舞踊の関係をより深く究明してゆくのだが、鴻自身の大野の舞踏から受けた谷底へ沈んゆくような眩暈体験を語り、さらに知的な解明がふかまるのだが、この知情意のバランスがとれた舞台批評は素晴らしいもので、本当に読みごたえがあった。それと木下歌舞伎の木ノ下裕一の「幽霊としての歌舞伎」も面白かった。
・今日のB1競馬、マイルチャンピオンカップでミルコ・デム-ロ騎手の奮闘で、寺山修司の影響で始めた競馬で、はじめて少しだが年間にプラスになった。

by engekibukuro | 2017-11-20 15:49 | Comments(0)  

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