2月8日(木)M「Sing a Song シング ア ソング」

作:古川健、演出:日澤雄介、トム・プロジェクト プロデユ-ス、下北沢本多劇場
 第2次世界大戦中、兵士たちを慰問した歌手淡谷のり子の生きる姿を描いた物語だ。冒頭、憲兵隊の中佐に呼びだされた淡谷は、ブルースやシャンソンなど外国の歌を歌わないこと、華美なドレスなど着ないことなどの厳重警告を受ける。しかし、淡谷は私は”もんぺをはいて軍歌など絶対歌わない”と心に決めて、戦場へ慰問の旅に出る。そして、ドレスを着て、ブルースやシャンソンを歌う、それは生きることの喜びを歌うことと淡谷が心から信じているからで、聴いている兵士たちにもその気持ちが伝わり、歓迎され常に満場の拍手で終わる・・。その淡谷を戸田恵子が演じて、戸田もその淡谷の気持ちを体現して、もともと歌手でもある戸田が思い切り歌って淡谷の姿を再現する。最後は鹿児島の特攻隊の兵士たちを慰問するのだが、20才にも届かない特攻隊員が心の底から淡谷の歌を目を輝かして聞き入る姿をが目に浮かぶ・・。この芝居を活かした一つのアクセントは、慰問旅行に随伴する憲兵隊の軍曹の存在、淡谷の衣裳、外国の歌など中佐の禁止した事項を監視する役割などだが、結局黙認してしまう・・。それは淡谷の伴奏者がその軍曹が、戦前自分がピアノを弾ていたクラブでジャズを熱心に聞きに来ていた男だと思い出したからだが、この軍曹を演じた作者古川、演出日澤と同じ劇団の劇団チョコレートケーキの岡本篤が、その複雑な気持ちを微細に演じてこの芝居の味わいを深めていたのだ・・・・・・。


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by engekibukuro | 2018-02-09 10:29 | Comments(0)  

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