人気ブログランキング |

6月17日(日)S「日本文学盛衰史」青年団 

原作:高橋源一郎、作・演出:平田オリザ、吉祥寺シアター
”文学とは何か、人はなぜ文学を欲するのか、人には内面というものがあるらしい。そして、それは言葉によって表現できるものらしい。しかし、私たちは、まだその言葉を持っていない。この舞台はそのことに気がついてしまった明治の若者ったちの蒼い恍惚と苦悩を描く群像劇である。”一場:北村透谷葬儀、1894年(明治27年)5月、二場:正岡子規葬儀、1920年(明治35年)9月、三場:二葉亭四迷葬儀、1909年(明治42年)6月、四場:夏目漱石葬儀、1918年(大正5年)12月によって構成されている芝居。いずれも、通夜の宴席が舞台だ。全場同じ役で出演しているのは山内健司扮する森鴎外、大竹直噴する島崎藤村、島田曜蔵扮する田山花袋、この名作「蒲団」を書いた花袋は、ほとんど宴席の座布団にうっぷしている。そのほかさまざまなデフォルメがある。漱石は女優兵藤公美が演じているし、明治の芝居なのに現代語のツイッターとか、漱石の愛媛での話しで加計学園という台詞がでてくる。いわば、堂々たる悪ふざけによって描かれている芝居だとも言えて、それが堅苦しい日本文学史を解きほぐして、今の若者にも通ずる明治の文学者の生態をあからさまにして、明治の文学、文学者に親しみを持たせる効用があって、ラストシーンには平田の芝居には珍しい全員音楽にのって踊りまくるシーンで、まことにユニークで面白い舞台であった。この舞台を観た原作者の高橋は、パンフで明治の文学史に”「そこ」には、わたしが気がつかなかった、見過ごしていた、素晴らしい鉱脈が隠れていたのだ。書くべきことは、もっとずっとたくさんあったのだ。なんてことだろう。舞台版「日本文学盛衰史」をもとにして、新しく小説を書くとしたら、この場合、原作は平田オリザさんか?”と書いているのだ。
・北斗賞・堀切句:”啄めるものを御空へ初鴉”、”結び目の確とありけり猿廻し”、”買初の筆の尖りをほぎしけり”



by engekibukuro | 2018-06-18 07:30  

<< 6月18日((月)俳句を作る演... 6月16日(土) >>