7月14日(土)M「消えていくなら朝」新国立劇場 小劇場

作:蓬莱竜太、演出:宮田慶子 
本作は、2010/2011シーズンより、二期8年、新国立劇場演劇芸術監督を務めた宮田慶子がこの8月で任期を終わり、その任期最後の演出だ。物語は海辺の家 ”家族と疎遠の作家である定男は、5年ぶりに帰省する。作家として成功をおさめた定男であったが、誰もその話に触れようとしない。むしろその話を避けている。華族は定男に良い印象を持っていないのだ。定男は切り出す。「・・・今度の新作は、この家族をありのままに描いてみようと思うんだ」 家族とは、仕事とは、表現とは、人生とは、愛とは、子とは、さまざまな議論の火ぶたが切って落とされた。本音をぶつか会った先、その家族になにが起こるのか。何が残るのか。”
 定男を鈴木浩介が、父を高橋長英、母を梅沢昌代、兄を山中崇、妹を高野志穂、定男の妻を吉野美沙が演じる。蓬莱のよほどの覚悟が感じられる緊密で容赦なく自分の家族を描いた作品で、どこの家族にも、それぞれの問題を抱えているのは確かだが、家族の中に作家がいて、その作家がリアルに自分の家族を描くというのはそうあることではない。この芝居はそれを見事に敢行して、家族とうものありようを特殊でありながら普遍的に描き出したといえて、いまさらながら蓬莱の劇作家としての真摯な力を感じた舞台だった。そしてその夜に深刻な話し合いが行われても、翌朝には消えていき、変わらぬ日常が始まるというタイトルが活きてくる・・・。
「凡そ君と」句・春”名画座に春来る東京物語”、”立春の空より戻るブーメラン”

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by engekibukuro | 2018-07-15 10:13 | Comments(0)  

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