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4月2日(火)

・「悲劇喜劇」5月号を読む。今号から対談形式の「演劇時評」を嶋田直哉君が、朝日新聞の藤谷浩二さんと始めた・・。嶋田君とは昔「シアターアーツ」誌の編集委員仲間で、嬉しかった・・。芝居の細かいところをきちんと観ている。
・先日の「岡留安則を賑やかに送る会」で配られた「噂の真相」のバックナンバーの200年5月号に掲載されている私のコラム「小劇場状況00」を紹介する。
・流山児★事務所15周年スペシャル公演「Happy Days-幸せの日ー」(作:鐘下辰男、演出:ケラリーノ・サンドロヴィツチ)。舞台は地方の旧家、白蟻が家屋の土台を蝕んでいて、家屋の裏の山は異臭を放つ産業廃棄物の捨て場所。この旧家の腹違いの3人兄弟の物語。
芝居は彼らの母親が井戸に身を投げて死んだ葬式が発端、その死をめぐって暗鬱な出来事があばかれてゆく。自殺、放火、殺人、子殺し・・。
しかし、それほど酸鼻をきわめる印象はない。それは鐘下の明快なテキストをカラが怜悧な演出で配置し、塩野谷正幸、ラサール・石井、篠井英介、今江冬子の主軸をになう役者が的確に演じている結果だ。悲惨さの濃度は、濃度の加減で現実の我々の生活と全く無縁ではない。いつか襲われるかもしれない話として舞台に吸い込まれてゆく。端的な衝撃は登場人物は裏山の廃棄物と同じだということ、我々はゴミなのだ。鐘下とケラを合体させた流山児の剛腕に拍手。

by engekibukuro | 2019-04-03 09:51 | Comments(0)  

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