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「由比正雪」流山児★事務所8月11日S

唐十郎作、流山児祥演出、本多劇場。この芝居は69年の新宿西口公園でのあの「腰巻お仙」上演事件の前の年68年に花園神社で上演されたが、観ている人は少なくて幻の芝居のようで扇田さんも観ていないそうだ。この芝居は唐の芝居の臭いが全く感じられない。セリフも唐ワードでなくて、唐の作とは思えない感じなのだ。正雪の時代の江戸、島原の乱、天草四郎とか、それらの事件についてのナレーションを入れるとか、芝居全体がアングラのコードを使っていない「普通の芝居」なのだ。その時代を彷彿させる吉本隆明「言語にとって美とはなにか」をもじった、「剣にとって美とはなにか」などのセリフが頻発するが・・・。つまりアングラ芝居、唐独特の芝居の最前期の作品なのだ。だからこの芝居を観て福田善之の「袴垂れはどこだ」を思い出した。唐は福田がリーダーだった劇団「青藝」にいた。歴史上の人物に現在を重ね、江戸のアウトロー、浪人正雪の時代への反逆を描き、クウデターを起こす話は福田の作風をかなり忠実に学んだ芝居だと如実に感じさせた。流山児がこの作品を掘り起こして上演したことは、唐の作品の理解のためにも演劇史的にも有意義なことだった。テクストを損なわないきちんとした舞台だった、長年下積みだったイワオが柳生十兵衛という大役をもらって、とにかくサマになっていた。嬉しいことだ。  

by engekibukuro | 2008-08-12 09:30 | Comments(0)  

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