人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「足跡のなかで」劇団青羽(ソウル)8月14日S

タイニイアリスがソウルから呼んだ劇団だ。日本の舞台では目にできない種類の新鮮で面白い芝居だった。舞台は街外れの米屋。この店で殺人事件が起きて閉店中の建物に画家が引っ越してきてアトリエにする。近所の人々は米屋の再開だと思って買いにくる。米屋がないと困るから米を置けとうるさいので、画家は自動販売での米をおく。米を入れる袋に画家は絵を描いた。そのうち米以外の米にはキムチがつきものだとかいって、商品の数を増やされてついにはアトリエは雑貨屋になってしまう。画家は米袋の絵を評価されたか、個展も開くが、いつの間にか店主になってしまい絵を描かなくなる。ここのあたりの推移は字幕だけでは分かりにくいが・・。しかし、また思い直して商品を売らず、画家にもどる?とにかく画家は人間にとって米が大事で絵画は入らないという民衆の話に真剣に悩む。この芝居は藝術と生活について大真面目に議論するのが最大の魅力。それもシンプルな装置、ライトタッチの音楽にのって、人々がリズミカルな早足で出没するのと、形而上学的な議論が並立する面白さだ。だからとてもさわやかで、自分も考えなければと自然に思わせられる。シニシズムのかけらもない。画家を演じた李憲在はイケメンで魅力的だし、ほかの俳優たちもユーモラスで軽妙。ステキなアンサンブル。よくわからないところも多々あるので、「シアターアーツ」に掲載されるはずの戯曲を読んで再考したいが、分かったかぎりでも有意義で面白い舞台だった。、

by engekibukuro | 2008-08-15 15:51 | Comments(0)  

<< 「春の夜想曲」TPS8月15日... 「由比正雪」流山児★事務所8月... >>