MONOの水沼健、奥村泰彦、尾方宜久、金替康博、土田英生jの意気のあった芝居は、演劇界での有数の見もので、実に楽しい舞台だ。今回も、大学でボート部の部員だった3人の男が、年に一回クリスマスに小さなホテルに集まり、一泊する。世間のクリスマスの賑わいを、日本人にはクリスマスは意味のお祝いだとクリスマスを拒否するのが、この3人のポリシー。ホテルの女性オーナー(亀井妙子)も3人に同調している。そこへ、オーナーの妹(山本麻貴)がやってくる。土田のオーナーの旦那もちょこまか働いていて、3人とオーナーはトランプ遊びに興じている。このトランプをしながらの、奥村、尾方、金替の会話がMONO調のサンプル、土田の台詞も冴えに冴える。
そこに妹の知り合いだという奥村泰彦のケーキ職人が、豪華なクリスマスケーキをもってやってきた。それからは、このケーキを食べるかどうか、クリスマス反対の強硬派と軟弱派の抗争になって・・・。ここまでは実に面白い。土田がパンフで今回は、台本を書くのに難渋して、スタッフ・キャストに迷惑をかけたと書いている。
芝居の後半は、オーナーの妹と旦那が付き合っていると、妹自身が断言、それは”おネイちゃんへの仕返し”だと・・・。この姉妹の小さなころからのネタミ、ソネミの話しになり、芝居が土田らしくない、芝居に昇華できないベタっぽい感じになってしまった。土田が難渋したのが汲み取れるようで、いつものMONOの芝居らしくない後味があまりよくない芝居だと感じざるを得なかった。
▲ by engekibukuro | 2010-11-30 10:44 | Comments(0)