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1月6日(木)S「大人は、かく戦えり」シス・カンパニー

作:ヤスミナ・レザ、演出:マギー、新国立劇場小劇場。
 大竹しのぶ、段田安則、秋山菜津子、高橋克実と名実ともの実力派俳優4人が演じぬく笑いが絶えない舞台だった。舞台はミシェル・ウリエ(段田)・ヴェロニカ・ウリエ(大竹)夫婦のウリエ家の居間。そこへアラン・レイユ(高橋)・アネット・レイユ(秋山)夫婦が訪れる。レイユ家の息子フェルデイナンが、ウリエ家の息子ブリュノと喧嘩して、怪我を負わせてしまったのだ。そのことでの話し合いの場だ。二組は地位も教養もあるブルジョアワジーだから、最初は冷静かつ友好的な大人の態度を保ちつつ、子供の喧嘩の後始末の折り合いをつけようとている。が、言葉のちょっとしたつまずきから小さな亀裂が走り始め、おまけにアランには仕事のことで携帯にたびたび電話がかかり、そのたびに席を外す。子供の喧嘩に親が口を出すのは・・などと最初はお互いに体裁をつくろっていたが、段々わが子可愛いやの本性が露呈してきて、罵倒合戦になり、さらには当人たちの夫婦間の不満の鬱積が爆発して収集がつかなくなって、アネットはゲロをはくし、ミシェルがたまりかねて酒をのみだすと、他の3人もわれもわれもと呑みだす始末。ヤスミナ・レザは極小の亀裂がどんどん傷口を広げてゆくサマを描くのが大変巧い。これが教養のある”大人”の振る舞いなのかと疑わせると思う暇もあらばこそ、あっという間に修羅場になった。そのプロセスを4人の実力派ががんがん演じて、秋山は堂々と吐くし、大竹はラム酒のボトルをラッパ飲みして暴れまわる。いままでの日本人の夫婦には考えられない風景だが、これからの日本人の夫婦にはこういう光景が現出するのかしら・・。4人の奮闘演技が、場内を沸かせた一夜だった。

by engekibukuro | 2011-01-07 11:55  

1月5日(水)S「十二夜」シアターコクーン 

作:シェイクスピア、翻訳:松岡和子、潤色・演出・美術・衣裳:串田和美。
ヴァイオラ(男装してシザーリオ)/セバスチャンを松たか子、オーシーノを石丸幹二、オリヴィアをりょう、マライアを萩野目慶子が演じるほかは、大森博史、笹野高史以下、この劇場を本拠にして活動していたオンシアター自由劇場のメンバー。串田は潤色・演出・美術・衣裳を手がける上に、役者としてマルヴォーリオを演じた。さながら同窓会、様々な活動で一家をなした役者たちの凱旋公演の感じ・・・。幕開きから自由劇場のメンバーの「上海バンスキング」以来の得意業のそれぞれの楽器演奏でのパレード。櫛田は劇中劇仕立てで原作を大幅に改変して、一種の音楽劇の趣向、石丸や松の歌もたっぷり楽しめる。まずは賑やかな正月芝居・・。

▼メモ。目黒美術館で「鉄を叩くー多和圭三展」を見た。1トンを超える鉄の塊に、両手でハンマーを振り下ろす。鉄自体はびくともしないが、表面はわずかに傷つき、ゆがむ。多和が30年続けてきた制作手法だという。
長方体や立方体の鉄の塊はほぼ原形のまま、厚みがありすぎて、表面に叩いた痕跡が残るだけだが、よくその表面をつぶさに見ると、そのゆがみが均整が取れていて、中には花びらのようにゆがみが浮いていて、なんとも美しい。びくともしない鉄の塊を叩く造形は、なにか祈りに似て、粛然とするような感動をもたらす。

・K馬・金杯、今年はなんとしても100パーセント回収したいが、結果は・・・・きびしい。

by engekibukuro | 2011-01-06 11:57  

1月4日(火)メモ





▼板橋美術館で「福沢一郎絵画研究所展ー進め!日本のシュルレアリスム」を見た。福沢の満州をシンボライズした透き通った巨大な2頭の牛を描いた代表作「牛」や裸の男の死体が折り重なって山をなす「戦後群像」は迫力満点だ。研究所の弟子あっちの絵は、一目でダリの模写だと解るような絵が多いが、山下菊ニはのような一頭地を抜いていた。独自の自分の世界を創りだしていた。ユーモラスでグロテスなテイストが画面いっぱいに横溢している。特に戦後の食料難の時代の食卓を描いた「生活戦線」が素晴らしい。
 それと円谷プロで怪獣製作を手がけた高山良策や、紙芝居の大家の加太こうじがこの研究所で福沢に教えられていたということも、この展覧会で知った。
・おもろ、今日が新年開店日、カップルとK先生、泡盛の本年初呑みで正月モードを更新した。

by engekibukuro | 2011-01-05 09:08  

1月3日(月)M「大きな豚はあとから来る」こまばアゴラ劇場

作・演出:工藤千夏、渡辺源四郎商店工藤支店。
 地方の銀行の女性行員が、ATMの前で戸惑っていた男に声をかけたことが切っ掛けで、夢魔のような世界に引きずり込まれる。男は中東のバレーンの小島の王様の腹心で、日本にその王様の妃を探しに来ていて、あなたがぴったりだと強引に決め付ける。行員はあまりに現実離れしている話を、男の強烈な説得で信じ込んでしまう。婚期を過ぎて、不倫が末期にきている女の境遇につけ込んで、本国からの送金が遅れてとかいって女から金を巻き上げる魂胆の一種の結婚詐欺だが、女はウソの度合いがあまりに大きいので、かえってお妃さきさまの夢にとり付かれて男のいうままになる・・・。アラビア音楽が流れ、中東風の布が垂れ下がった、妖しい雰囲気のテーブル一つの簡素な舞台での、メルヘンとさびしい現実の織り交ざった芝居だ。男を演じる大林洋平の騙し方の巧さと、工藤由佳子の女のわざと騙されているような不思議な女の心情を見せる演技で作者の夢が果たされているのだろう。それと、芝居の区切りごとに、二人の俳優が芝居の内容と無関係の、ごくフツウの夫婦の日常の風景のシーンが挿入される。毎晩遅く帰り、せっかくの食事も手をつけない夫、その妻の侘しさが産んだ夢なのか・・・。本年の初芝居にしては一寸さびしいが、今年の空気を予感させる妙な手ごたえがあった舞台だった。
▼FM放送で山下洋輔と渡辺香津美の昔の音源のデユオを聴いた。ピアノとギターの宝石のような珠玉の演奏・・。正月一番の贈り物だった・・。
・東野圭吾の原作のミステリーのTVドラマ「新参者」を見た。主演阿部寛だが、久しぶりに見た日本のテレビドラマは妙にもたれるね・・・。

by engekibukuro | 2011-01-04 09:00  

1月2日(日)


 面影橋の姪のマンションで親族の新年会。姪たちはH市のJ学園という自由で開放的な私立校の出身。それぞれ自分の道を切り開いて、やっと地歩を築いた感じ。ロフトのような白い壁のおおきな部屋に、わたしの子供のときからある年代モノの大きなテーブルと、炭火が燃える火鉢。食卓も豊か。姪の友人もいて、いろいろ話が弾んで、感慨深し・・・。ブログを読んでくれてもいる。例年ほど泥酔しないで帰宅・・。



 今年から文春新書の佐藤優解説の「新約聖書」を毎朝10ページ読むことにする。
”だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である”(ルカ12・22-32)。

by engekibukuro | 2011-01-03 08:45  

2011年1月1日(土)

 皆さま 新年明けましておめでとうございます。
 板橋・赤塚の寺、松月院へ初詣、家族、友人の今年の無事を祈願して参拝。
今年は人出が少ない。毎年のかならず呑む甘酒の店も今年は出ていない。さびじいきつい年になるのか。

おせちを済ませて、近所の光ヶ丘公園を一周する。年々凧揚げの子供たちの姿が少なくなっているが、今年はさらにめっきり少なくなった。


丹後の、錆びた釘をいれてじっくり煮た黒豆を年賀にきた一歳の孫が喜んで食べて、ほかのものがあまり食べないのでかみさんが喜んだ。











・johnnyさま  「美しきものの伝説」劇評読みました。なかなかよく観ていられますね。おおいに刺激されました。

by engekibukuro | 2011-01-02 09:33  

12月31日(金)メモ





▼午前中に丸の内の三菱一号館美術館へ。「カンデインスキーと青騎士」展を見る。明治時代に立てられたらしい古い風情のあるビル。事務室を改造したものだから、部屋がいくつもある。31日なのに大勢の館員がいる。カンデインスキーと「青騎士」の仲間が、アカデミズムに反旗をひるがえしたミュンヘンで・・。カンデインスキーの抽象へ向う過渡期の作品が中心だが、全くの具象の風景画も素晴らしい。色彩、構図、なによりロシア風の人間の物語が風景の背後に感じられるのがいい。沢山の写真も展示されていて、みなみるからに立派で大人の風格があって、時代の豊かさを感じさせる。二重橋の駅(はじめてだこの駅は)から千代田線で千駄木へ。菊見せんべゑで唐辛子と砂糖のせんべえを買う。池袋にでて、そばや一栄で毎年の予約した年越しそばを貰う。やまやで我が家のおとそ代わりのシェリー酒を買う。
・赤塚ドトールで「失われた時を求めて」1<スワン家のほうへ>読了。たしかに「人生の究極は文学だ」というプルーストの言葉が頷ける小説ではある。岩波文庫で14冊、毎月一冊・。来年の楽しみだ。
・天麩羅で年越しそば。紅白も見た・・・。高峰秀子が亡くなった、86歳、子役から出発した素晴らしい女優だった。合掌!

by engekibukuro | 2011-01-01 08:11