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9月8日(木)M「大と小」(作:ポート・シュトラウス)

演出:手塚とおる、tpt,上野ストアハウス。まず今年江古田ストアハウスを上野に移したストアハウスでtpt
の芝居が観られたのが嬉しい。
 宮本裕子が演じるロッテという女性が、自分の居場所、人とのつながりを求めてモロッコから、ドイツを縦断する物語・・・。そのつながりの近疎や、場所の移動の差など、大きなドラマになったり、一瞬にして通過したりそれこそ”大と小”がある・・。このロッテが何を求めて彷徨するのかが、とりとめがなくて、あるいは特殊ドイツ演劇的イメージの連鎖でつかみどころがない・・・。しかし、宮本の演技と、手塚のスタイリッシュな演出で客を牽引できていた。宮本は役の解釈というより、自分の演技力をパワフルに全開して、この女性のダイナミックな勢いを舞台にみなぎらせた。他の俳優たちも、この勢いをそれぞれの演技に内包させて宮本を助演した。手塚はこの芝居の解釈、内的なコンセプトを探求するというような一種ヤボなことをしないで、純粋に演劇的な面だけを重視しているようだ。だからドイツ現代演劇のしっかりした紹介になったし、海外の前衛的な作品を果敢に上演してきたtptの伝統にもつなっが舞台になっていた。

▼MEMO。原稿をあげたあとの楽しみにと今絶賛仲のロマン・ポランスキーの映画「ゴーストタイター」を見に有楽町のヒューマントラストに行く・・・、が、行く前にコンビニで週刊新潮の福田和也のコラムでゴーストライターはつまらないようた映画評を読んでしまった・・。午前中の回なのにほぼ満員。見たらたホントにつまらなかった。CIAとテロに挟まれた英国の元首相(ブレア)の話だが、よくできた二流のスリラーでしかなかった。首唱の伝記を書くゴーストライターの役割が曖昧で、話の芯が弱い・・。いちおう見られはするが「水の中のナイフ」「チャイナタウン」「テス」「戦場のピアニスト」などの傑作とはほどとおい・・。アメリカかに追われているポランスキーのアメリカへの憎悪はひしひしと感じたが・・。
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by engekibukuro | 2011-09-09 09:36 | Comments(0)  

9月7日(水)メモ









▼「悲劇喜劇」11月号掲載の「地域演劇の俳優たち」を脱稿・・。
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by engekibukuro | 2011-09-08 08:12 | Comments(0)  

9月6日(火)メモ






▼矢野誠一「昭和食道楽」(白水社)を読んだ。項目は、アイスキャンデー、塩煎餅、油揚、とんかつ、チューインガム、オートミル、珈琲、ハム、鰻、蕎麦、鶏卵、汁粉、どぜう、豆腐、ふぐ、ビール。矢野さんは1935年生まれ。わたしのひとつ上だ・・。だから、この項目群はみな親しみいっぱい・・。近頃の高級グルメの世界とはほど遠い・・。ご馳走のトップは鰻とふぐぐらいだから・・。まさに昭和の生まれの基本の食生活の哀歓・・・。
油揚をあぶってうすくち醤油をつけてメシを食うという矢野さんの”レシピ”をやってみた・・。フムフムだった・・。
この項目で夢中になったのは塩煎餅、近頃は一枚一枚和紙で包んだ塩煎餅がエラそうにしているが、あんなものは塩煎餅塩ではないとは・・矢野さんとお仲間さんと一緒、ホンモノの塩煎餅を求めて、矢野さんが推奨する新井薬師の小店にも、小沢昭一が買うという羽田の穴もりさま近くの店にも、他に谷中、根津、浅草、目白、先代勘三郎がひいきにしていたという神楽坂の毘沙門天前の煎餅屋(いまは一枚250円する分厚い煎餅)とか、はて醤油の町、千葉県野田の煎餅屋まで・・。しかし、子どものとき食べた美味さ?の再現などムリだねら・・。それと矢野さんは海外の芝居見物にゆくと、必ずその土地の競馬場へゆく、NYではブロードウエイとベルモント競馬場いうのも嬉しい本だった・・。
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by engekibukuro | 2011-09-07 08:22 | Comments(0)  

9月5日(月)M「アルトー24時」赤坂レッドシアター

原作脚本:鈴木創士、人形演出:結城一糸、脚色・構成・演出:芥正彦、芥正彦+結城一糸(江戸糸あやつり人形座)。アルトーは白水社の著作集、ステイーブン・バーバー著、内野儀訳の「アントナン・アルトー伝」を読み、アルトーが出演したアベル・ガンス監督の「ナポレオン」、カール・ドライヤー監督「裁かるるジャンンヌ」も見たが、昔の話だ・・。だからか、観ていて圏外感が拭いきれない舞台だった・・。まあ、知的でスノビッシュなアルトーごっこのような感じ・・、”ごっこ”を縫って、一糸が操る人形のアルトーのメッセージが発信されててゆく・・・。そして突如、宮台真司が客席から立ち上がり、”わたしは、ミシェル・フーです”と名乗り、フーコーのアルトー論を語る・・、芝居の最後に顎鬚をはやした鴻英良が、ジャック・デリダに扮してアルトー論を語る・・・。休憩のときに、鴻さんに”ひげを生やしたんだ、仙人みたいだね・・”といったら”そろそろ消えようと思って・・”と仰ったが、どうしてどうして消えるどころではなかった・・。結局、いちばんよかったのは、ジャン・ジュネに扮してアルトーのことを語った笛田宇一郎、明晰で格調高い表現術は、堂々たる風格で、場内をいちばん集中させたパフォーマンスだった。
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by engekibukuro | 2011-09-06 08:15 | Comments(0)  

9月4日(日)白石加代子百物語シリーズ第二十九夜

宮部みゆき二本立て:「ばんば憑き」「お文の影」(構成・演出:鴨下信一)岩波ホール。
宮部みゆきの江戸怪談2本。「ばんば憑き」は江戸の小間物屋の入り婿が、わがまま一杯の家付き娘の嫁と箱根の温泉めぐりの帰途の戸塚の宿で、折からの霙で宿に客が殺到し、同部屋を女将に懇願されて、上品な老婆と同宿する。いぎたなくよっぱって寝てしまった嫁、婿は老婆とひそひそ声で話す・・。老婆の田舎の”ばんば憑き”の話・・。老婆が少女の頃、村の庄屋の美しい娘の女中をしていたとき、その娘と祝儀を挙げるはずの入り婿に、村の豪農の娘がその婿に横恋慕して庄屋の娘を刃物で殺してしまう・・。表ざたにするとお上にひどい目に会うので、こういう場合の村の古くからの秘術の”ばんば憑き”・・秘伝の丸薬を殺した娘に飲ませ、殺された娘の魂を移し入れ替える・・・。老婆はその話をしてから厠にゆき、戻ってこなかった・・。翌朝、宿の庭の枝で首をつっていた・・。はたして老婆の前身はどちらの娘か・・・。
「お文の影」は子供が生まれない夫婦が、子を成す呼び水に養子をもらう・・。その養子がお文、嫁はそれでも子供が生まれず狂ってしまう・・・、大人たちに翻弄されで、お文は命を失う、お文は死んだが影だけ取り残される・・。その影を岡っ引きの政五郎親分がお文の墓までつれてゆく・・。
白石加代子百物語は今回で94話、あと5話で99話(99話で終了・・)。この画期的試みは、大成功。ここでの独創的な話術は、舞台での白石の演技の幅をひろげたし、特に彼女の喜劇的センスの凄さ、面白さの発見、、特に筒井康隆の「五郎八航空」は満場哄笑の渦で、アメリカ巡演では客が椅子から転げ落ちて大変だったそうだ・・。
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by engekibukuro | 2011-09-05 11:55 | Comments(0)  

9月2日(土)芸劇+トーク 異世代劇作家リーデイング

岩松了×松井周 水天宮ピット 大スタジオ。
松井は「群像」に掲載された自作の短編小説「およばれ」を、岩松も自作の小説「乏しい愛の顛末」と戯曲「蒲団と達磨」の一部分を読んだ。二人とも作家だが、同時に俳優でもあるから、面白く聴けた・・・。終わって徳永京子の司会で二人の対談・・。主として小説と戯曲の書き方の相違を主題にして進行する・・・。二人の小説とそれについてのトークも分かりやすいとはいえないが、マジに真に受けず、二人についての独自の視角をもち自己流に応対すればおもしろくもあるし、理解したと思えるようになる・・。岩松が”演劇というのは舞台に1人の男がぼうっと立っているだけで成立する、そこには無限の可能性がある・・という発言が、いちばん印象に残った言葉だった・・。

▼jおもろ。中川君、カップル、今日は有田芳生さんも着ていた。国会議員というのは、徹底的な年功序列の世界だそうだ・・。国会議員らしい風格が備わるのは先のことかな・・・。
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by engekibukuro | 2011-09-04 09:34 | Comments(0)  

9月2日(金)M★座・高円寺、S★★吉祥寺シアター

★「ふたごの星」(脚本・演出:佐藤信)。宮沢賢治の童話をもとにしたお芝居・・。この作品と座・高円寺で上演した評判の高い「旅とあいつとお姫さま」の再演のどちらかを、杉並区の全校の4年以上の小学生が観るそうだ・・。今日も小学生と一緒の観劇・・。チュンセ童子とホウセ童子というふたごのお星さまが、大がらすとさそりのけんかをなだめるのがタイヘンで、毎晩の星めぐりの歌にあわせて銀笛を吹く役目がおぼつかなくなって・・。tupera tuperaの美術、コンタの音楽、とともに佐藤の詩心が賢治のファンタジーを子どもたちの心に沁みこlませた・・。この舞台で最後に歌われた賢治が作詞・作曲した「星めぐりの歌」だけでも覚えておいてほしいね・・。芝居が終わったあとの質問コーナーで活発な質問がどんどんでてきていたのも、子供たちが演劇に興味をもってきた様子がうかがわれて、座・高円寺の試みが実っているなと思わせた・・。
★★「「渡辺哲ひとり芝居 校長失格」(作・演出:水谷龍二)トム・プロジェクト。ひとり芝居というものは、けっこう負担感が重くなりがちで、1時間大丈夫かなと思ったが、この舞台はそれがなかった・・渡辺のパーソナリテイの魅力がどんどん客を引っ張った・・。先生をちっともリスペクトしない生徒たち、権利意識過剰のモンスターペアレンツ、そういう今の環境に囲まれた教育界はたいへんだ・・。渡辺の校長は直情径行型の先生で、定年間近、奥さんに先立たれ、33才の娘と暮らしている。今の環境や若い先生とのギャップに悩み、そのうえ子供の相談にきた未亡人の母親に懸想して再婚相手だと勝手に決めていたりして・・。東工大出身でシェイクスピアシアターに在籍中のアルバイトで塾の先生をやり塾生を一流大学に入れる受験成功の名先生だったそうだ・・。だからか、黒板を使っての老荘思想の”無用の用”の講義のシーンなど堂にいっていて、それと生徒の母親にメイルしたり、バラ一輪をもってパート帰りの母親を待ち伏せするようなダメさ加減とのコントラストが絶妙・・。最後には昔の女子の教え子の新人教師が生徒のイジメで自殺したとき、その学校の校長室に怒鳴り込みにゆき、乱暴を働いたということで懲戒免職に・・。校長の人柄と渡辺の人柄が無理なく重なって、味わい深いひとり芝居になったのだ・・。
▼長谷川孝治著「地域と演劇」を読んだ。地域演劇のなんたるものかが明確にわかる立派な本であるばかりでなく、長谷川の演劇に係わる自叙伝としても面白い、無類の文章家だね・・・。
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by engekibukuro | 2011-09-03 10:20 | Comments(0)  

9月1日(木)メモ











▼長谷川孝治「地域と演劇」を読み出す。面白い・・・・・。
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by engekibukuro | 2011-09-02 08:54 | Comments(0)  

8月31日(水)S「ノミコムオンナ」鈴木製作所、Tモリエール

作」蓬莱竜太、演習:鈴木裕美。振付家を置かず、ダンスの即興のエチュードだけで、作品を創ってゆく試み・・。蓬莱が大枠の台本を書いた。舞台はしょぼくれたボクシンブジムで、そこのオーナーの一人娘の美女を、カフェのチェーン店の息子と、ジムに入ってきた野暮ったいボクサー志望の青年が奪い合う話し・・。台詞の代りにダンスでいかに人間相互のにコミュニケーションが可能で、客への説得力があるか・・。元宝塚の陽月華、瀧川英次が中心だが、ほかはダンス畑の未知の人たちだった。ジムのオーナーを演じた久保酎吉だけが台詞主体の役で、舞台の柱になっていた・。陽月の男をノミコミ、男の激情を霧散させる不思議な魅力が舞台に漂い、名付けようのないノージャンルのパフォーマンスだが、鈴木とパフォーマーたちが、エチュードを積み重ねて創って来たという手ごたえと楽しさは確かに伝わってきた・・。

▼「新潮」9月号。討論「いま始まる生存と創造」石川直樹・岡田利規・坂口恭平。主に大震災・原発事故のそれぞれの体験に即した話。岡田は奥さんが放射能にナーバスになって熊本に引っ越したそうだ。この世代の発言のほうが「at]の大沢真幸や山口二郎らの既成インテリの発言より率直で柔軟だと思った。佐々木敦「批評時空間」は中島新作、飴屋法水演出「おもいのまま」前田司郎作・演出「未だ定まらず」松井周作・演出「ゲヘナにて」などの演劇時評。「テアトロ」9月号で渡辺保が前田の「未だ定まらず」の野村昇史が演じたシャルルという女装の男が「天照大神」だという、実に面白い見方だな・・。扇田昭彦「つかこうへいの「戦争劇」」、村井健「死者の目でこの世を見る」が要をえて適格・・。菅孝行演劇時評「社会と演劇の視野」では北区のつかこうへい劇団の最終公演「売春捜査官」と四季の「ヴェニスの商人」を褒めた。今月は否定的言辞なし・・。褒める文章のほうがいいね、芝居がほんとうに好きなことがわかる・・・。
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by engekibukuro | 2011-09-01 11:33 | Comments(1)