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1月9日(金)S「いやおうなしに」{歌謡ファンク喜劇}

脚本:福原充則、演出:河原雅彦、音楽:Only Love hurs(旧称:面影ラッキーホール、通称:O.L.H)、神奈川芸術劇場KAAT
 福原がO.L.HのaCKyの作詞したラップ・ミュージックを基にこしらえた芝居・・。「好きな男名前腕にコンパスの針でかいた」、「あんなに反対していたお義父さんにビールをつがれて」「ひとり暮らしのホステスが初めて新聞をとった」・・・「パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた・・夏」・・・などなど・・。それをその歌詞に即した途上登場人物をつくり、その歌をシーン、シ-ンで歌って締める・・。そして、この芝居はキャストが異色豪華、全体を締めるのは古田新太で、それに小泉今日子、高畑充希、三宅弘城、高田聖子、田口トモロヲ・・芝居はO.L.Hの目をそむけたくなるようなロウアークラスの過酷な人生や社会の現実を歌ったものを、、その現実をなんとかへばりついてあきらめずにセックスとゼニに振り回されれながらけなげに生きてゆく人間たち・・。こういう芝居を容赦なく演出する腕の持ち主河原は、さらに舞台をあやうくキラキラ飾って、古田の貫禄、小泉の頑張り、三宅・高田の奮闘、トモロヲの見事な歌いっぷりで、一篇の歌謡ファンク喜劇に仕立て上げた・・。〽いやおうなしが 続くばかりの日々に/否が応にいっつも 飲み込まれてく・・・
いやおうなしが 続くばかりの日々に/歯向かうつもりでいつでも はめられていく・・いやおうなしが 続くばかりの日々を/嫌なふりして いつか乗りこなしてた・・・。

by engekibukuro | 2015-01-10 10:37  

1月8日(木)S「Shoes On!」博品館劇場

企画・原案:福田陽一郎
 2000-2006年の7年間、このステージは博品館劇場の新春を飾ってきた。それが9年ぶりに再開された。日本のエンターテイメントのパイオニア故福田陽一郎の傑作だ・・・・。メンバーもレギュラーだった、川平慈英、本間憲一、藤浦功一、平澤智、北村岳子、シルビア・グラブにHIDEBOHが参加、さらに若手の吉井一肇
と野田久美子が加わった・・。「大人のための粋なエンターテイメントを創りたいね」と福田は言っていて、「歌もダンスもうまくて、コメデイセンスがあって、心根がいいヤツらと、さ」と・・・。あしかけ10年ぶりのこの舞台、皆成熟した素敵なエンターテイナーになっていて、それに川平など2時間、激しいダンスを踊りまくってそれでも余裕しゃくしゃく、北村岳子、シルビア・グラブの歌・ダンス・芝居も三拍子そろって、大人の色気をおしげもなくまき散らして、全員客を楽しませることに全力をつくす、心根の良さで川平がパンフで書いたとおりの「大人の、大人による、大人のための洗練されたショー」を成立させていた。わたしは毎年新年のたのしみにいたので、久しぶりに堪能して満足々だったが、博品館劇場のアットホームな、舞台と客席が一体化する雰囲気に改めてイイ劇場だなと感じたのだった・・。観に来ていた川平の兄を慈英が「骨肉をわけた兄です」と紹介するハプニングもあって、アンコールにつぐアンコ-ルで・・・。そういえば、オンシアター自由劇場がここで「上海バンスキング」を上演したとき、ここの広いロビーで吉田日出子がサービスに歌ってくれたことを思い出した。

・神保町「萱」へ。出版社の同時代社の社長だった川上徹さんが亡くなった。安田講堂のときの民青系全学連の委員長であり、のちに共産党を除名され、そのことを「査問」という本(筑摩書房)に書いた。おもろ、萱での飲み友だちだった・・・。合掌!

by engekibukuro | 2015-01-09 08:26  

1月7日(水)









・「悲劇喜劇」の終日原稿を書く・・・。

by engekibukuro | 2015-01-08 07:20  

1月6日(火)S「リア王」文学座アトリエの会

作:W・シェイクスピア 訳:小田島雄志 演出:鵜山仁

 初芝居は、江守徹の「リア王」だ。江守は70歳を超えたそうだが、若き日、このアトリエで同じ小田島訳で江守が画期的なハムレットを書き演じたのを思い出す。ハムレットからリア王へ、歳月の非情な流れ・・。「リア王」が、今の日本の高齢化社会に異常にフイットするのが、ここ数年「リア王」がいろいろな形で上演されていることで裏書きされている。
 島次郎の美術のシンプルな舞台、上下の二つの出入り口から登場人物がスピーデイに出入りする。リアの思い入れとか、いろろな贅肉をとりはらった演出で、いままでの多くの「リア王」とかなり異なって、リアのみ孤高に屹立するような芝居でなく、リアを巡る多数の人物の生きざまを活写する芝居になっている。金内喜久夫の軽妙枯淡の道化をはじめ、グロスター伯爵の坂口芳貞、ケント伯爵の外山誠二のヴェテランが舞台を要所で締めて、ゴリネル、リーガン、コーデイリアの3姉妹、嫡子エドガーと庶子エドモンド、善悪美醜の多彩な人物が起こす血で血を洗う出来事は、その大方はほとんど知っているのだが、この舞台ではその出来事の連鎖が、人物のキャラクターはぎりぎりまで誇張され、出来事はわくわくするような起伏に富んでいた。そして、殺されたコーデイリアを抱いた車椅子のリア、開幕当初の驕りが数々の試練で浄化され、コーデイリアを殺した人間を殺すという老人ながらの天晴れなこともしおうせ、ついに人間らしい真実の死を迎える。そのとき死は恵みであることを江守のリアをはっきり演じて見せた。その死に顔の良さ・・・。高齢観客にはなによりの慰めになった・・・のだ。

by engekibukuro | 2015-01-07 08:14  

1月5日(月)











・正月終り・・。初芝居は明日の文学座アトリエの江守徹の「リア王」・・・。

by engekibukuro | 2015-01-06 07:11  

1月4日(日)坂口昌弘「文人たちの俳句」

この本には演劇関係から6人取り上げ奪れている。初代・中村吉右衛門、久保田万太郎、渥美清、小沢昭一、寺山修司、松本幸四郎、松たか子。渥美清、小沢昭一、松たか子の句を・・・。
 渥美清 俳号:風天
・さざ波のプール校舎にひとのなく
・ただひとり風の音聞く大晦日
・さくらんぼプッと吹き出しあとさみし
・いく年しかたないねていよう
・ながれ星ひとりみつけて肌寒く
・だーれもいない虫篭のなかの胡瓜
 小沢昭一 俳号:変哲
・元旦を稼ぐ因果の芸渡世
・閑古鳥いつまで売れるわが身かや
・虚と実のあわいの稼ぎみみず鳴く
・真打になっても売れず冬銀河
・枝変えて移る世渡りみの虫の
・売文もピンからキリまで冬めく日
 松たか子
・打ち出して銀座は香る月の道
 オフイーリアを演じた後に銀座に出た様子を詠んだ句



 

by engekibukuro | 2015-01-05 08:09  

1月3日(土)「新たな系譜学をもとめて」展

東京都現代美術館 総合アドバイサー:野村萬斎
 自分の身体は、あまり身近すぎて、普段はそれほど意識していないものだ。副題に「跳躍/痕跡/身体」を掲げ、系譜学という一見学術的な言葉を載せたこの展覧会は、表現における身体の意味をとらえ直そうという試みだ・・。世界各国のさまざまなアーテイスト、パフォーマーが斬新な作品を展示しているが、より直近なのがダンス、運動で、それら写した映像がかなりの部分を占める。展覧会は野村萬斎の舞台映像から始まり、アーテイスト集団ダムタイプの展示室へと続く・・。それに演劇の側からの武智鉄二、渡邊守章、観世寿夫、土方巽、大野一雄の舞台写真の展示がある・・。わたしの目的は、この展覧会で岡田利規・チェルフイッチェの展示作品・「4つの些末な 駅のあるある」。人物4人の等身大の映像が映しだされている。人物たちはおなじみのクネクネ・パフォーマンスをしているのだが、画面正面につられたスピーカーの下に入り、彼らの言葉をきくと、4人は駅で見たことを話しているのだ。体の動きと言葉の完全な分離。これは岡田の身体と言葉の関係の新しい思考による展開で、昨年暮れにKAATで上演した「スーパープレミアムWバニラリッチ」の理解への補強になった・・。
驚いたのは正月3日という日なのに、このちょっと見には難しそうな展覧会に大勢見に来た人がいて、子供連れもかなりいたりして、日本人の文化水準の格段のアップを感じたことだった・・。
・それと美術館から半蔵門線白河清澄の駅までの道中の下町のいろいろの食べ物や、人だかりがしている焼き鳥の店で焼き鳥をかって店の前のベンチで食べたり(これは味が抜群だった)、豆大福を買って歩きながら食べたり、楽しい一日だった・・。
 

by engekibukuro | 2015-01-04 07:33  

1月2日(金)

 ひさしぶりに東長崎のここで育った実家へ・・。このあたりの変貌ぶりにおどろく・・。こどもころしゅちゅう遊びにいっていた、海軍中将だった親戚の大きな家は更地になっていた。この家でお屠蘇をいただいて、場所を移して姪のR子のパートナーが働いている中落合のバー・ユーラシアンへ。義妹T子、義弟S二、甥R一、姪M子,R子、Y子、T子、古くからのつきあいのH家の娘さんCHIYOさん・・、多国籍の料理、お酒がでる・・。このあたりは、目白道路から豊島園方面への曲がり角で、昔十三間道路といっていた・・。私が子供のころは、車はほとんど走らず、こどもたちは野球をやっていた・・。CHIYOさんはミュージシャンで、いま、スペイン・バルセロナでアルゼンチン人の男性の相方と大道で演奏している。日本とバルセロナを行き来している・・。この店のピアノで演奏してくれたが、大道芸どころではない素晴らしい演奏だった・・。M子はウイーンから帰ってきたばかりだし、いまの若い人たちの豊かな自在性におどろくばかり、隔世の感、ひとしお・・。

・毎年年賀状をいただく元青俳の俳優南裕輔さん、私が俳優としての最後の舞台、旧俳優座劇場での舞台、花田清輝の「爆裂弾記」でご一緒した・・。小筆の立派な楷書で毎年感服するのだが、今年は”小生、今年で86歳、長寿が怨めしい”とあった・・・。噫々!

by engekibukuro | 2015-01-03 07:14  

2o15年1月1日(木)

★明けましておめでとうございます。今年もよろしく!

 松月院へ・・。赤塚大仏は敬遠して・・。初詣でなにをお願いするか・・。今年は良い劇評を書けますように、良い俳句を作ますように、競馬で大儲けできますように、とかどうもぱっとしないし、ろくでもないな・・。これも唯物論者の共産党員の父母の家庭に育ったから、まだまだなじめないのかな・・。

 いつもの正月は三が日休むのに、ことしは元日も店を開けるるいきつけのコーヒー店・コーヒータイムで坂口昌弘「文人たちの俳句」を読む・・。
 ・星ほどの小さき椿に囁かれ
 ・半世紀戦後の春のみな虚し
 ・独りとはかくもすがしき雪こんこん
 -瀬戸内寂聴ー

夜は孫ふたりを連れて息子一家がくる・・。

by engekibukuro | 2015-01-02 08:03  

12月31日(水)奥泉光「東京自叙伝」(集英社)



 正月にゆっくり読もうとしていたのだが、読みかけたら、やめられず423ペ-ジ読んでしまった。東京を擬人化、さらに擬下等動物化して、もしかして縄文時代から、いまの平成までの東京という場所、そこで起こった血なまぐさい事件の連鎖を描いた、といってもとても要約もできない、複雑怪奇な奥泉流の一種のSFフイクション・・・。
 第一章 柿崎幸緒(かきざきさちお) 第二章 榊春彦 第三章 曽根大吾 第四章 友成光宏 第五章 戸部もどり 第六章 郷原聖士(ほうはらきよし) これが幕末、大政奉還から現代までの東京の擬人名、むろん同一人物、・・・・つまり東京に生きている”私”はみな同じ”私”であってなんら区別がない・・。これはこわい・・。この人物たちは天皇は尊重しない、原発立地にかかわった曽根は、皇居を立地候補にあげたりしたし、とにかく波乱万丈の末に、東日本大地震をむかえ、さらに近未来にはまたまた原発事故、放射性物質が日本中に飛び散って、人間が死に絶え、生き残ったのは太古からの生き物の王者鼠だ。”東京湾に夕暮れが迫り、浜風が吹きよせるなか、瓦礫の蔭から赤く染まった空を見上げる一匹の鼠、たとえばソンナものがいたとしたら、それは私です。これがアrスト!私は鼠年だから、ことのほか身に染みたのだった!
 2014年の最終日にこんな小説を読んだのが、いいのか悪いのか・・。さあ、良いお年を!

by engekibukuro | 2015-01-01 08:15