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2月9日ピエール・ルメートル「その女アレックス」



 さすが「週刊文春ミステリー」+「このミステリーがすごい」の第一位だけのことはある。抜群に面白いあ・・、が、犯罪の内容は陰惨だねえ・・。同じパリ警察でも年寄りにはひたすら、ジョルジュ・シムノンの「メグレ警部」がなつかしい、メグレの扱った犯罪にはこんな犯罪はなかった・・。ただ、この事件を担当したカミーユ刑事が背丈が145センチで、この背丈で大男たちにたちまじって頑張っているのが、背の低いわたしには嬉しかったが・・。年来のミステリーファンだが、これからはシムノンやチャンドラー、ハメット、ロス・マクドナルド、それにアガサ・クリステイなんかを読み直すことにしようかな・・・。

★さいたま芸術劇場の渡辺弘さんから先般の「ハムレット」の新聞各紙の劇評を送っていただいた。朝日新聞ー扇田昭彦、毎日新聞ー高橋豊、読売新聞ー山内則史、日本経済新聞ー高橋宏幸、それと同じ日本経済新聞電子版の内田洋一の各氏の劇評を読み比べて、とても興味深く、この「ハムレット」の舞台の豊かさをまざまざと感じた・・。なかでも内田さんの力の入っ長文の劇評が読みごたえがあった。劇評は舞台を観たとたんの初発の感じ方、感動をもとにしてどこまで書けるかが勝負だということを改めて感じたのだった・・。

by engekibukuro | 2015-02-10 07:42  

2月8日(日)M「白墨の輪」オペラシシアターこんにゃく座あh区朴あh区朴

原作:ベルトルト・ブレヒト、台本:広渡常敏、作曲:林光、演出:坂手洋二、美術:島次郎、振付:矢内原美邦、音楽監督:萩京子、世田谷パブリックシアター
 目を瞠るのは、舞台下手半分が急傾斜の巨大な滑り台のような島次郎の美術、上手はこの劇が最初はピアノ、次はオーケストラ、今回の3演目は室内楽バージョンで、そのボックス。今回坂手を演出に据えた、このブレヒトの名作を基にした林の名曲オぺラは非常に優れた舞台が出来上がっていた。坂手の演出のもと、島の美術、矢内原の振付、むろん音楽も、それがみごとに統一されていた舞台だった・・。
 なにより戦乱の混乱のさなかに都に捨てられた王女の赤ん坊を料理女グルシェが拾って、戦乱の窮乏の巷をなんとか潜り抜けてやっと故郷へたどりつき、そのあいだ全力で育てた赤ん坊を戦禍が収まったあと王女が取り戻すということになり、裁判になる話が主人公グルシェを特別のヒロインにせず、民衆のなかの一人の女性にして民衆の劇にしたこと・・。だから、生みの親と育ての親という大岡裁きのようなパターンえではなくて、グルシェは王室で育てられて幸福になることもありうることを充分承知して、その上で自分が困難のなかで育てたことをシンプルに主張しているだけなのだ。そのすなおな現実感は、後半の裁判のシーンでの誰もいないのでしかなく選ばれた大酒のみの裁判長アツダクの判断に通ずる・・。白墨の輪のなかに子供をおいて、グルシェと王女が引っ張り合っうテスト、グルシェはすぐに離しててしまう、どちらが真の親か、権利があるかただ観ていて明白だ・・・。グルシェを演じ歌った太田まりがこの舞台の坂手の演出のねらいを体現して、さらに大石哲史のアツダクが歌も芝居も抜群に面白い・・。オペラでないこの芝居の舞台で何回もアツダクを観ているがこのアツダクはいい・・・。音楽、芝居がひとつの民衆・群衆劇として渾然一体の舞台で、泉下の林光も喜ぶだろう・・・。
・舅他を演じ、歌った川鍋節雄は昔から家人ともども昔からのファンだが、今回の舞台でも彼の歌はひとつののびやかな世界をたちまち感じさせる・・・。良かった・・。
 

by engekibukuro | 2015-02-09 08:12  

2月7日(土)M「ヒトジチ」劇団民藝

作:ブレンダン・ベーハン、訳・演出:丹野郁弓、紀伊国屋サザンシアター
 ”苦難の歴史を負うアイルランドの劇作家ブレンダ・ベーハンによる破格の一作!喜劇と悲劇、歌と踊り、酒と喧噪・・・混沌がやがて思いがけないドラマに転化していく。青春時代を獄中で過ごした作家がみずからの肉体をとおして、人間への限りない愛と民族の哀しみを描き出す。”これが劇団チラシの惹句だ・・。
 アイルランドの独立運動組織IRAのヒトジチになった英軍の10代の兵士が、ダブリンの荒れ果てた売春宿で拘留される・・、その宿での売春婦や底辺の人々との猥雑な係わりを描いた舞台・・。が、ヒトジチといっても今のおぞましい人質事件を踏まえたもではない・・。いま、この芝居を上演する意義は・・・。いつもはそれを述べるパンフでの主張文はなくて、巻頭に丹野と小田島恒志の対談があって、この芝居のブレヒトの芝居との関連が語られている・・。なるほど、芝居の流れを不意に中断して賑やかな歌と踊りにのシーンになる、まあ一種のブレヒト流の異化作用といえなくもないが、ブレヒトの単刀直入のメッセージが付与されるというものはない、だがいつもの行儀が良い民藝の男女の役者連が、底辺の娼婦やアウトロウを楽しそうに演じて、アイルランドのアイリシュウダンスを披露する意外な楽しい舞台で、さらに民族主義というものと民衆との係わりを考えさせもして、捕虜の若い英軍兵士とアイルランドの少女との淡い恋情の哀しみをも感じたのだった。
・おもろ。中川君、カップル、それに久しぶりに有田芳生さんがきた・・。この前亡くなった川上徹さんのしのぶ会は300人もきた盛会だったそうだ・・。
・480ペイジの岩波文庫森鴎外「椋鳥通信」(上)を毎朝5ページずつ読んで終わった。陸軍医総監鷗外森林太郎が、じつに楽しそうに海外の実にさまざまな情報、ゴシップをほんの1-5行ぐらいの短文にする、おどろくのはかなりの部分が演劇情報なのだ・・。
★ハナコさん・・「KANO」の誤りのご指摘ありがとうございました。原住民だったのですね・・。

by engekibukuro | 2015-02-08 07:57  

2月6日S「ベルリンの東」「劇」小劇場、名取事務所

作:ハナ・モスコビッチ、演出:小笠原響

 カナダの若手女流劇作家の作品だ・・・。アウシュビッツで人体実験を行っていた医師が、戦後南米パラグアイアに逃れ不動産屋になっている・。この芝居はその男の息子の話だ・・。父親がアウシュビッツにいたことを知らずに育ち、あるときそれを知り、それから苦悩と動揺の日々が始まる・・。息子はベルリンに行き、そこでアマリカ在住のユfダヤ人女性と愛し合うようになるが、結婚直前、いままで隠していた父親の前歴が彼女に知られ、彼女はアメリカへ戻ってしまう・・。ナチ、アウシュビッツの歴史が、当事者の息子や娘の人生を壊してしまう悲劇・・・。登場人物は主人公と男の友達と恋人の3人のシンプルな構成の劇だが、20世紀の暗黒を振り替えさせる芝居だった・・。
・終わって、先ごろお父さんを亡くされた谷岡さん、谷岡さんの大阪の中学時代の友達で石川淳の研究者の日本女子大の教授の山口さん、同じ大学の村山知義の女性研究者の方と吞む・・。

by engekibukuro | 2015-02-07 08:24  

2月5日(木)★Mシアタートラム★★S赤坂レッドシアター

 ★、★★とも今年いちばんの力作、問題作だった・・。
★「MERCURY FUR」(作:フイリップ・リドリー、演出:白井晃、翻訳:小宮山智津子、美術:松井るみ)
 いままで白井の演出したりシアタートラム・世田谷PTで演出したリドリーの芝居「ピッチフォーク・デイズニー」「世界でいちばん速い時計」「ガラスの葉」を観てきたが、それぞれ面白かったのだが、いまひとつなじみにくく、白井の嗜好が優先している舞台だと思っていたのだが、この芝居はそんなコトドモを微塵に払拭させた舞台だった。だが、だい一タイトルが字引をひいてもよくわからない、それにこの芝居にでてくる人物も背景も場所も、出来事もwからない、が、松井るみの美術のこの舞台のマチエール、廃屋の電気も切れている荒廃感だけは伝わり、高橋一生が演じるエリオットという男が誘導する世界は、その荒廃したマチエールに根差した世界とそこで生きる人物たちで、なにやらここで開かれるという秘儀めいたパーテイ、人身体供犠のような若い男を差しだすパーテイプレゼントとか、バタフライという麻薬のおかげでかろうじて生きている人物たち、拳銃は乱射され、ナイフが躍る・・。政府はあってなきがごときたらしい・・、白井は”フイリップの作品はある種のファンタジーと言える、通俗的なおとぎ話と言う意味ではなく、個人のイメージをものすごく拡大させて紡がれた世界だという点でね。だからこの本を立ち上げるときには、僕らもフイリップの言葉どうりに、感じたまま創り、演じるしかないと思っているんだ”と語っているし、さらにいままで政治的なことを扱うのは好きでなく避けてきたが、今回の芝居がアメリカのイラク進攻をフイリップが意識しいていたし、今回のパリの襲撃事件、さらにイスラム国の悪夢のような攪乱の世界に遭遇して、この芝居の荒廃感が、フイリップのファンタジーがリアルきわまる感触を舞台に付与する結果になり、客はこの時代の深層に触れた思いがするような、演劇というもの
が世界を写し感じさせる人間にとっての本来的な器だということを白井と俳優たちは証明したのだ。
i★★「スイートホーム」(作:古川健、演出:日澤雄介)トム・プロジェクト
 27年前に起こった、14歳の少年が父母と祖母を殺したj事件を古川が取り上げて、家族というものを綿密な取材と考察で劇化した芝居だ・・。口うるさい母、甘やかす祖母、仕事にかまけて息子や孫の教育などかまけて姑と嫁の確執など見て見ぬふりの父と祖父、成績のことで三者三様な圧迫でたまりかねて3人を殺し、たまたま不在だった祖父だけが生き残った。芝居は、この祖父と少年の回生を教導する少年院の精神医との難しい関係を軸にして少年の凶行の経緯を描いてゆく、家族を殺された祖父には孫の更生など問題外、当初は医師懇請など取りつくしまがない応対だったが、徐々に・・、そのことを古川は少年の現在と過去の家族の振る舞いの階層を実に効果的に組み合わせてこの殺人事件の根底を探ってゆく・・。一人っ子の少年への父母祖母の教育、かまい方は歪んだものだといえても、初年の殺意を強烈に刺激するようなものとは見えない、どこのでもあるともいえて、大概のこどもなんとかしのいで生きてきたのだ・・。この少年も異常なところはなにもない平凡な子供だ・・。だが、事件は起こってしまったのだ・・。だから、この少年のこれからという難題がどうしよいもなく横たわるだけだ・・。当人にとっても医師にとても祖父にとっても・・。こういう場合に多い当人の自殺を防ぐことが当面の課題だ・・。家族というものの変わり方とかいろいろ省察の方途はあるだろうが、古川は楽観はできないのは当然として、極端な悲観もせず、医師や祖父とかかわりながらのこれからの少年をつきはんしておいてみせる・・。そこに見えてくるのは人間の生の実相が裸で見えてくるあdけだ・・。祖父を演じる高橋長英、少年の辻井彰大、医師の西尾友樹が軸になっての古川・日澤の創った秀作だ。
・トラムで徳永京子さん、埼玉芸術劇場の渡辺弘さんにお会いした・・・。
・1月12日の「プルート」のブログが読めなかったという方がいらしゃるのだが、中断して書いたのでおかしくなったらしい、いちおうこちらでは読めている状態なのだが、ブログがその日に送れているだけで僥倖jだと思うkらいあのパソコン痴だからしかたがないか・・・。

by engekibukuro | 2015-02-06 09:46  

2月4日(水)

 映画「繕い裁つ人」、中谷美紀という女優を評判の舞台も映画、ドラマでも見たことがなかったので、見に行った。なかなか立派で美しい女優だと思ったが、映画は三島有紀子監督の彼女を際立たせる思いが強すぎるのか、神戸の堅実で良い暮らしをしている人たちの世界の中での抜群の足踏みミシンを踏む洋裁人(繕い裁つ人)を描いていささか仰々しい・・・・・・とも思った。三浦貴大という人も初めて見た、他に余貴美子、片桐はいり・・。
・銀漢亭へ。展枝さんのバイトの日だった、焼酎3杯・・。
銀漢2月号に堀切克洋君の句1ページ、タイトル「したごごころ」、”一月やまだこの街に染み慣れず”など8句 。
★「銀漢」2月号、2013年9月から博士論文(アントナン・アルトー)を書くためにパリに留学している彼の近況報告も。”・・劇場にも毎日のように通い詰めるようになった。年間で200本以上の舞台作品を見る計算である。留学中に想像をはるかに超えた数の出会いがあり、それだけでも大きな財産になると感じる。「心の花」に所属している知人に誘われ短歌を始めたり、映画専攻のスペイン人の友人に頼まれて課題用の短編映画に出演させてもらったり、日本のボジョレ・ヌボー人気を特集したテレビ番組の通訳バイトをしたり、私が住んでいる国際都市・日本館では居住者委員会の委員長を務めさせてもらったり、そこそこ充実した日々を送っている。”そうである・・。

by engekibukuro | 2015-02-05 07:20  

2月3日(火)嶽本野ばら「純愛」(新潮2月号)

 430枚の一挙掲載・・。地方から上京した大学柊木殉一朗(ひいらぎじゅんいちろう)は、一人だけの極左党を立ち上げて活動する女性・北据光雪(きたすえみつゆき)と同じごく安アパートに住む。柊木は大学のアニメ部に参加するが、北据の魅力に取りつかれてゆき、彼女にタコの形のウインナと沢庵が入った弁当を作ってもらうようになって、彼女の革命言説にもひかれてゆく・・。この小説は一種の政治小説で二人のほかにも極左、極右の組織、活動家が出てきて、それとアニメ・エロゲなどの現代風俗とからみあう、最後にはフクシマ県を原発を奪取して占拠し、柊木は新国家の天皇となる・・という一種荒唐無稽の小説だが、出てくる若者男女が魅力的で、その議論が一昔前の若者たちを彷彿とさせるマジメで純粋で、いまの若者が今の日本を彼ら流にホンキで憂い、なんとかせねばと思っている様子が浮かび上がってくるのだ・・。なんだか安心したし、柊木は最後に純愛をささげた北据の体に少しも触れず天皇の責任をとって自殺する。片山杜秀によれば、これは2,26事件を踏まえた作品だということだが、この二人が実に初々しくて素晴らしい・・。
・「すばる」2月号の中村文則と白井聡の対談で、白井がいまのイスラム国とオウム真理教との類似を指摘している・・。それと最後に原発再開のことで「3.11以降わかったのは、日本国民の大半は生物としての本能がこわれている事実・・・」と語っている。

by engekibukuro | 2015-02-04 08:15  

2月2日(月)S自作自演ー飴屋法水×江本純子

 芸劇●トーク 異世代エーデイング トーク聞き手:徳永京子 東京芸術劇場シアターウエスト
<リーデイング>★江本純子「むきだされた天使」★★飴屋法水「ブルーシート」他
★ 江本が「ユリイカ」に掲載した短編小説のリーデイング。渋谷道玄坂の劇場でのダンス公演、女性ダンサー30人のショウで、劇場裏のプレハブ小屋の1階が出番の多いダンサー15人、2階が出番の少ないダンサーの楽屋で、そのなかでも一番少ないダンサーが、自分だけ残された楽屋でほかのダンサーのカバンを開けて、5万円入っている財布から4万円抜き、巾着に入ったローターを抜き出し、自分の股間でつかう・・。というような話を一人いるオカマも入れての、猥雑な楽屋の臨場感あふれるリーデイング、話が盛り上がると話者が誰だかわからなくなるのも面白くて・・・。
★★飴屋は状況劇場の音響だったから、今回はいろいろの音響道具を使い、「ブルーシート」のほかの自分の作品、それに自分の両親の映像、客席にいる娘との会話とか、多種多様なパフォーマンスを、変幻自在に演じて独特多才の舞台で素晴らしかった。
 トークでは、江本がぜひ飴屋といっしょにやりたいと注文したそうだ・・。飴屋は柄本も「毛皮族」も知らなかったようだ・・。

by engekibukuro | 2015-02-03 07:56  

2月1日(日)矢野誠一「小幡欣治の歳月」(早川書房)

 この本は、雑誌「悲劇喜劇」に2011年5月号から2014年3月号まで35回連載されたもの・・。
雑誌で毎号楽しみにして読んでいたが。改めて読み、つくづく感心し、感銘を受け、さまざまな感慨にふけるのだったl・・。小幡は新劇の群小劇団といわれた炎座という劇団から出発したが、五味川純平の「人間の条件」の脚色で注目を浴び、商業演劇の雄菊田一夫に才能を評価され商業演劇の随一の書き手になった。この本は83歳で死んだ小幡の七つ年下の矢野の53年にわたる小幡との交友をつづった本だ・・。私は新劇育ちで商業演劇をほとんど蔑視する世界だったから、小幡のl作品は、名高い「三婆」も観ていないくて、後年小幡が新劇に回帰して劇団民藝に書いた芝居しか観ていない・・・。この本を読んで、自分の偏狭な演劇体験を思い、それに芝居の世界にまつわる、この本で書かれた酒や競馬を含めての快楽の世界に羨望し、なにより著者のそれらを書く、文章の巧さ豊かさに心底魅入られた・・。プロの物書きの凄さ・・。多少の共通の知り合いがいるのもl嬉しかったし、他に書きたいことはたくさんあるが、わたしにも共通する以下の文章を書きうつしてひとまずとする。
”小幡欣治の死にあたって、私は涙をこぼしていない。小幡欣治ばかりでない、これまで肉親をふくめて何人もとの別れに出会ってきたのに、そのことで涙を流した経験が私にはない。子供の頃から泣き虫で、いまでも芝居や映画、ときにはテtレビや読書の最中、おもわづ涙ぐむのがしょっちゅうなのに、人の死で泣いたことがない、というより泣けないのは自分が少しく無情な人間に思われてきて、ちょっと困った・”

by engekibukuro | 2015-02-02 11:36  

1月31日(土)M「フォルスタッフ」D1倉庫

作・演出:江戸馨 作曲・演奏:佐圭一 東京シェイクスピア・カンパニー
 <鏡の向こうのシェイクスピア・シリーズ>
 作者は述べる・・。
 ”シェイクスピアの作品を上演する際、描かれている場面以外の時間、特に夜、登場人物たちが何をしているのだろうと考えることも芝居をつくる時のたのしみの一つです。そこで今回は<鏡の向こうのシェイクスピア・シリーズ>として、登場人物ではなく、シェイクスピアだけを演じ続けている役者たちの人生を描いてみました。芝居だけ、しかも数年の間はウインザーの陽気な女房たち」しか上演していない、名優だった座長を失ったあとの小さな劇団。私たちが生きている時代より、夜はもっと長く、孤独であったことでしょう。この人たちが眠りにつく前、なにを思っていたのか。「壁」の向こうを通して見える素顔を道案内に、一緒にご想像ください”。
 出自が複雑でいろいろな人生を経てきた男女の役者たちのさまざまなエピソードが、フォルスタッフの舞台とからめて提示される作品・・。本当の母親はオフィーリアを持ち役にしていた女優だったことが判明した男優、処女オフィーリアが、おなかの大きなオフィーリアへと連想を誘う芝居の世界にまつわるアイロニカルな苦渋と楽しみが交差する世界・・・。初めて観たカンパニーだが、コアのファンがきちんといる独特のたたずまいをもったカンパニーだと感じ入った・・。
 

by engekibukuro | 2015-02-01 10:10