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10月19日(木)M「笑った分だけ、怖くなる」VOL・2 あうるすぽっと

・白石加代子女優生活50周年記念公演
この舞台は、白石と佐野史郎の二人の台本をもっての朗読劇。
★第一ラウンド 筒井康隆 作「乗越駅の刑罰」(上演台本:笹部博司)、★★第二ラウンド「井上荒野 作「ベーコン」(上演台本:佐野史郎) 演出:小野寺修二
★小説家の入江は7年ぶりに郷里の乗越駅に降り立った。改札が無人と思い通り抜けようとすると、駅員に呼び止められ散々いたぶられる。そこにもう一人の駅員が蹴ってきて子猫入りのスープを作り始める。怖くなった入江はなんとかその場を逃れようとするが・・・。
★★家族を捨てて家を出て行った母。その母が死んだという知らせが入る。葬式で母の恋人と出会った私。その男の視線に突き動かされ、いつしか男の元へ通い始める私。しかし、私には結婚を誓った別の男もいる。私が初めて体験した禁断の愛の味とは・・・?
 私は白石が鈴木忠志主宰の早稲田小劇場で初めて白石を観たのは50重年前だったのだ、その時の衝撃を思い出し感慨深い公演だった。

 

by engekibukuro | 2017-10-20 07:29 | Comments(0)  

10月18日(水)M「リチャード三世」東京芸術劇場 プレイハスス

作:ウイリアム・シェイクスピア、翻訳:木下順二、演出・上演台本:シルヴィウ・ブルカレーテ、舞台美術:ドラゴン・プハージャル、音楽:ヴィシル・シリー、演出補:谷賢一
ルーマニアの鬼才ブルカレーテの演出した、この「リチャード三世」はテキストに忠実な舞台ではない。ブルカレーテがテキストに触発されたイメージを再構成したものだ。女優は渡辺美佐子ひとりだけ、他の女役は男の役者が演じる。リチャード三世を演じるのは佐々木蔵之介。このリチャードも背中にコブが場面々であったり、なかったりする。普通の意味でのシェイクスピアの「リチャード三世」ではないとは、河合祥一郎先生もいっていた。その一種恣意的ともいえる演出を日本の役者が的確に順応して、独特な舞台が出来上がった。舞台全体がブルカレーテの美意識に貫かれていて、荘厳ともいえる空気を作り出していた。なるほど世界的に評価されている演出家の仕事だと思わせた。
初日乾杯のときに出演していた有薗芳記に会った。渡辺さんとは、このまえ新国立劇場で上演した「マリアの首」の話をした。渡辺さんは初演の時の主役だった・・。

by engekibukuro | 2017-10-19 10:23 | Comments(0)  

10月17日(火)M「検察官」劇団東演

作:N・ゴーゴリ、翻訳:佐藤史郎、翻案・演出・美術:V・ベリャコーヴィッチ、O・ロブノフ、紀之國屋サザンシアター
久しぶりに東演の芝居を観た。この劇団の創立者八田元夫先生は、私の子役時代の先生だった。また、子役時代の親友松川暢生はこの劇団の俳優、のちに演出家だった。その松川君が無くなってからこの劇団とは疎遠になっていた。また、急逝したベリャコーヴィッチの演出も、旧ソ連時代の社会主義リアリズム時代には、まことに大胆なアヴァンギャルドな演出だった。今回の「検察官」も音楽や踊りをふんだんに使っての奇抜な「検察官」だったが、どうも演出家が現存していないこともあるのか、舞台がその演出をなぞっての形骸化した感じがしてならなかった。だが、べつにベリャコーヴィッチの演出の匂いが感じられて懐かしくもあった。東演の創立の時期に、下村正夫を指導者にした新演劇研究所という集団があって、その新演での「検察官」の上演で、若い頃の杉浦直樹が主演のフレスターコフを演じて、これが素晴らしかった。この杉浦のフレスターコフ以上の以上のこの役を観たことはない。

by engekibukuro | 2017-10-18 11:10 | Comments(0)  

10月16日(月)俳句を作る演劇人の会

今回の兼題は「暮の秋」と「葡萄」。今回は谷岡健彦さんの東京工大の同僚で、祖父、父とそれと本人も継いだ耕農という俳号をもつ先生が参加された。私は「友死して葡萄の汁の味深く」と「秋の暮劇場の椅子暖かき」を採っていただいた。私が選んだ今回の秀句は松代展枝さんの「石けりて石を泣かせり暮の秋」、谷岡さんの「葡萄食べ人を殺めしごとき指」、それと大西酔馬さんの「断捨離も残すは馬齢秋の暮」だった。披講ののちの飲み会にでた銀漢主宰で銀漢亭店主の伊藤伊那男先生が出してくださった丹波の枝豆が絶佳の味だった。

by engekibukuro | 2017-10-17 09:41 | Comments(0)  

10月15日(日)北野武監督作品「アウトレイジ 最終章」

よくも集めたくらいの曲者役者(大鷹明良もでていたぞ)の勢ぞろいで、こちらのトシの成果、ちょと持たれるくらいに味が濃い。花菱会の古参ヤクザの顔面演技など凄まじさを通りこして、その奇抜さに腹の皮がよじれた。今回は韓国・日本のヤクザを支配する済州島の大親分が出てくる新機軸、タケシはこの親分の手下になる。とにかく、拳銃の音がしないシーンがないくらいの映画・・。その中で、花菱会の新会長に就任した新会長野村を演じた大杉漣、この会長元証券マンで、子分との談合でやたらにお茶を飲む。これが、古参ヤクザとの違いのアクセントになっていて印象に残り、この会長最後は泥沼に埋められ首だけ出して車で轢き殺される。まあ、このアウトレイジ3篇とも面白い、タケシ映画の真骨頂だった・・。

by engekibukuro | 2017-10-16 10:12 | Comments(0)  

10月14日(土)M「ウエアハウス」アトリエファンファーレ高円寺

上演台本・鈴木勝秀
この芝居はエドワード・オルビーの「動物園物語」のスズカツ流のバリエーション。いままで私は観ていないが、さまざまな形で上演されてきたという。今回は、佐野瑞樹、味方良助、猪塚健太の宇の3人の芝居だ。「動物園物語」の辺々が増幅されている芝居だ。アレン・ギンズバーグの「吠える」の朗読や、百桁までの円周率を暗記するシーンなどがあって、いろいろの形で増幅されいるが、スズカツの「動物園物語」へのいれこみかたが尋常ではないことはわかるが、どうも私には昔観た「動物園物語」のシンプルな鬱屈と意外性の記憶の方が勝ってしまうのは致し方ない。
 ・おもろ。中川君、沢さん、それに久しぶりに島田君。愉快に飲んで、この店の泡盛賛歌・・・。島田君とは、明日の秋華賞の話・・。

by engekibukuro | 2017-10-15 09:28 | Comments(0)  

10月13日(金)S「奈落のシャイロック」名取事務所 

作:堤春江、演出:小笠原響、プロデューサー:名取敏行、小劇場B1
このところ上演作品が、読売演劇賞にノミネイトされたり、快進撃の名取事務所は、今回は堤春江の書き下ろし作品だ。1907年(明治40年)の明治座の出来事。この年歌舞伎俳優による初めてのシェイクスピア作品が上演された。明治座の座主二代目市川左団次主演、坪内逍遥訳、松居松葉演出の「ベニスの商人」だ。さらに九代目市川団十郎の娘市川旭梅が女優としてポーシャを演じるのだ。これは左団次が松井と途にヨーロッパに行って、各国のシェイクスピアの舞台を観て、教えられた成果としてもくろんだ上演だった。ところが、当時の茶屋制度に阻まれ、上演が妨害され上演不能になってしまった。初めてチケットを売って席を定める現在のような制度を、この公演で採用したのだ。これではそれまでのご祝儀と酒食で持っていた茶屋制度は持たない。それでこの公演、客を巻き込んだ暴動に発展してしまった。左団次、松居、旭梅は奈落に避難する。観劇制度の改革の困難がいかに大変だったか如実にわかる芝居で、現在までの観劇制度の過程に思いを馳せる舞台になっていた。左団次を千賀功嗣、松居を吉野悠我、旭梅を森尾舞が演じたが、別の形で歌舞伎の舞台に出たことがある女役者市川久女八を演じた新井純が快演だった.終演後、谷岡さんと、谷岡さんの大坂時代の友達の日本女子大の教授の山口さん、助教の鴨川都美さんと台湾料理屋で歓談、この4人の歓談は名取事務所の芝居のあとの慣例なっていて、とても楽しい時間なのだ。

by engekibukuro | 2017-10-14 09:55 | Comments(0)  

10月12日(木)

大島一洋君の書いた「介護はつらいよ」が集英社文庫に入った。大島君はマガジンハウスの編集者で、「鳩よ!」の編集長だった。彼とは新宿ゴールデン街の銀河系という店の常連仲間だった。かれは63歳の時、妻子を東京に残して田舎の岐阜県中津川へ両親の介護のために帰った。父親が93歳、母親が88歳だった。母親は認知症で彼のことはわからなかった。最初の小学館で出した単行本をいただいて読んだが、あらためて再読した。こちらも歳を取って、老人介護の辛さを改めて感じた。母親は90歳で亡くなった。文庫本のあとがきによると、モーロクしているがお父さんは健在だそうだ。お父さんはアララギ派の歌人で、大島君の弟の大島史羊さんは、歌壇では知られた批評家だ。この本を改めて読むと、歳をとることの大変さをこちらの歳のせいもあって痛感した。そして彼の奮闘ぶりが改めてわかったのだ。今は介護について講演をしているとのこと。老人介護の専門家になったのだ。

by engekibukuro | 2017-10-13 10:13 | Comments(0)  

10月11日(水)

横尾忠則「ぼくなりの 遊び方 行き方 横尾忠則自伝」(ちくま文庫)を読む。齢は同じだが、特別の人とはいっても、もの凄い差だね。三島由紀夫ら、その時代の寵児との交友。そのデザインの仕事は、外国でも評価され、サルバドル・ダリにも会っている。演劇関係では寺山修司や唐十郎との交友関係。状況劇場の出発点の芝居「腰巻お仙」のB全版のシルクスクリーンのポスターは贅沢きわまりないポスターで、世界的にも評価されたという。現在は画家を宣言して絵画を制作しているが、その主要なモチーフをなすY字路の絵は私も観ている。とにかく凄い人だ。

by engekibukuro | 2017-10-12 09:30 | Comments(0)  

10月10日(火)

トーマス・マン・渡辺一夫「五つの証言」(中公文庫)を読を読んだ。この本は渡辺がトーマス・マンの書いたものを自分の専門のフランス五からの重訳で訳したものが主体になっている。五つの証言は、アンドレ・ジードの「一、トーマス・マンの最近の文章を読んで」の序文があり、「二、ボン大学への公開状」「三、ヨーロッパに告ぐ」「四、イスパニヤ」「五、キリスト教と社会主義」。それと渡辺のエッセイ「寛容について」「文法学者も戦争を呪詛し得ることについて」「人間が機械になることは避けられないものだろうか?」それに中野重治・渡辺一夫往復書簡が続き、最後に「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」、最後に山城むつみの解説「第六の証言」がつく。渡辺は東京大学のフランス文学の教授で、大江健三郎の先生だった。ラブレーの「ガルガンチュワ物語・パンダグリユエル物語」の訳者だ。この文庫本は、小説家の坪内祐三との対談で小説家の中原昌也が読んでいると言っていたし、同じ小説家の福永信が朝日新聞の文庫案内で推奨していた。私は年寄りだから若い時このような本を読んでいたが、今の若い文学者が読んでいて、中公文庫で出したことは、今の時代への不信から
のものなのだろう。今月の中央公論の広告に「21世紀の勉強論 何故いま教養ブームなのか」という文章が掲載されいる(未読だが)、時代は底のほうから変化してくる一つの希望の兆しがあると思った。

by engekibukuro | 2017-10-11 09:56 | Comments(0)