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3月30日(金)M「少女都市からの呼び声」新宿梁山泊 芝居砦満点星

作:唐十郎、演出:金守珍
新宿梁山泊創立30周年記念公演。この作品は唐が、状況劇場の若手に書き下ろした作品。それを金が、彼独特のスペクタクル作品にして、世界各国で上演した劇団の財産だ。今回は、ゲストに元黒テントの根本和史と、60年代からアングラ演劇、アングラ映画の常連だった、なつかしや山谷初男が出演した。現在85才だというのに、昔とそう違わない驚異的な元気さに驚く・・。他に中山ラビの歌が舞台をきっちり締めた。///div>

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by engekibukuro | 2018-03-31 06:59 | Comments(0)  

3月29日(木)M「ブラインド・タッチ」オフイス・ミヤモト

作・演出:坂手洋二、下北沢スズナリ
 アメリカ同時テロの翌年、イラク戦争開戦の前年という2002年。学生運動の衝突事件で逮捕され、約30年ぶりに釈放された男と、彼を支援した獄中結婚した年上の女との初めての同居生活が始まった。男を高橋和也、女を都築香弥子が演じた。この芝居は、2002年に演劇集団円で男を塩見三省か演じた芝居の再演だ。数多い坂手の芝居の中でも、この芝居はベスト3の中に入る秀作だ。男は釈放されて、普通の世間の生活になかなかなじめず、女との会話もなんとなくギクシャクして、男は二人の住まいの庭に小屋を建てて独房を再現して寝泊まりする。
この男女の生活を坂手は丁寧に描いて、時代そのものを確かに感じさせ、特異な二人芝居を成立させた。私は円の岸田、塩見の初演も観ているが、今回の高橋、都築も初演の二人に十分匹敵する演技だった。////

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by engekibukuro | 2018-03-30 10:31 | Comments(0)  

3月28日(水)Sハヤカワ「悲劇喜劇」賞 授賞式

ハヤカワ「悲劇喜劇」授賞式が、信濃町の明治記念館で行なわれた。本年で5回目の受賞作品は、穂の国とよはし芸術劇場おLAT、アル☆カンパニー、作・演出:桑原裕子「荒れ野」が受賞した。選考委員は今村忠純、鹿島茂、高橋豊、辻原登。
 式は恒例の早川書房早川浩社長の英語のスピーチで始まり、正賞として「悲劇喜劇」創刊号をデザインした盾、副賞として100万円が、スタッフ・キャストを代表として桑原裕子に授与された。アル☆カンパニーの主宰者平田満が受賞の挨拶をした。この作品は昨年、新宿のSPACE雑遊で12月に上演された。残念ながら私は観ていない。その公演でSPACE雑遊びは閉鎖されたそうだ。会場は公演関係者、演劇関係者でいっぱいで賑やかに飲食、談話して盛会だった。帰りに「悲劇喜劇」5月号をいただく。この号に「荒れ野」の戯曲が掲載されている。それを読むのはもちろんだが、この号から「演劇時評」が内田洋一・谷岡健彦の対談で始まる。これが本当に楽しみだ。

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by engekibukuro | 2018-03-29 10:23 | Comments(0)  

3月27日(火)M「Ten Commandments」ミナモザ

作・演出:瀬戸山美咲、こまばアゴラ劇場
「ten Commandments」とは、モーゼの十戒のこと・・。瀬戸山は広島の子供と一緒に原爆の被爆者にインタビューして「ヒロシマの孫たち」という作品をつくった。その過程で、原発開発に携わった科学者たちのことが気になりだした。さらに2011年の福島第一原発の事故後彼らはどのような気持ちで研究を進めておるのか。大学院生への取材の中で印象に残ったのは「技術者倫理」の授業だった。そのような背景のもとでのこの芝居は、直接そのことを劇化したものではない。一組の夫婦がでてくる。妻はしゃべれるのに、夫には紙に書いた言葉を渡す。その内容はバックの字幕に写される。他のしゃべれる人物も出てくるが、舞台でしゃべった言葉が、これも字幕にでてくる。たとえばキューリー夫人はラジウムを発見し、原子力の基礎になり(これは十戒を犯した第一歩か)、アインシュタインが原爆を製造できることを発見するが、政府への進言を躊躇するが、同僚のレオ・シラードは進言する・・。その夫婦が中心人物だが、以上のことも実際にはよく解らず、いわば勝手な想像だが、ただ、瀬戸山が渾身の一作だということが、この芝居で瀬戸山のこの芝居のスタイル、思考の質だけは感じることは出来る。いわば、散文詩の様な作品で、その特異な実験性によって確かに心に残った舞台だった。



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by engekibukuro | 2018-03-28 09:53 | Comments(0)  

3月26日(月)M「砂塵のニケ」青年座

作:長田育恵、演出:宮田慶子、青年座劇場
今回の公演で、成年座劇場は老朽化の閉鎖される。1969年11月に矢代静一作「天一坊七十番」でオープンして、本公演が65、スタジオ公演が111、合計176本の芝居が上演されたのだ。
最後を飾る長田の新作は、一人の風景画家を巡っての母と娘の相克の物語。母親は画廊主で、娘は美術修復家だ。風景画家が一度だけ女性の未完の肖像画を描いた。その画家の一枚の風景画を娘の修復家が、修復するのだが、その修復の過程で、東京、パリ、そしてエーゲ海に浮かぶサモトラケ島まで往還する。サモトラケ島は、頭部のない女神像ニケが発掘された。舞台はその風景画家が母と娘の相克の謎を解く鍵として、画家の足跡を追って、その過程を多彩に描いてゆく・・。長田はどんな細部にも主題と関わる微妙なシーンをちりばめて、宮田の演出は、それを流れるように可視化した。娘を那須凜、母親を増子しずえ(見出ー難漢字)、画家を綱島郷太郎が演じた。伊藤雅子の美術も大きく貢献して、青年座劇場の最後を飾るにふさわしい見事な舞台だった。 

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by engekibukuro | 2018-03-27 10:05 | Comments(0)  

3月25日(日)

週刊文春(3月29日号)に載ったビートたけしの小説「ゴンちゃん、またね。」が面白かった。なかなか売れない小説家志望の男が、生活のためにテープ起こしの仕事をしている。彼の唯一の愉しみが、飼っている柴犬と散歩にゆくこと・・。一緒に散歩に行き、帰りに焼き鳥を買って一緒に食べる。それが、ある日ゴンちゃんンを散歩のとき見失う・・。必死になって探すが、見つからない。もうあきらめかけているときに、老人と連れ立っているゴンちゃんを見つける。話を聞けば、子供たちにいじめられてケガをして血を流していた助け、ケガを治療して一緒に暮らしているという。男は、その犬は自分の犬だと言い辛くて、その老人と親しくなり、焼き鳥を買って訪ねてゆく習慣をつくって、ゴンちゃんに会いに行く、ゴンちゃんもきずいているようだ、昔の飼い主を・・。この男が住んでいるのが板橋の氷川台で、東上線の上板橋、私の住んでいる場所に近くて、それもあって、この小説のななんとも言えないペーソスに感銘をうけた。ゴンちゃんの挿絵もたけし、こんな小説も書けるんだと、改めてたけしの多彩な才能に感心した・・。
 ・石牟礼道子「椿の海の記」読了・・。解説の池澤夏樹が、冒頭に「この本を前にした時に一つの大事なことがある。ゆっくり読むこと」
わたしは感動はしたが、ゆっくりは読まなかたな・・・。あらためてゆっくり読もう・・。


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by engekibukuro | 2018-03-26 06:55 | Comments(0)  

3月24日(土)OM-2 ハムレットマシーン

作:ハイナー・ミュラー、構成・演出:真壁茂夫、日暮里SUNNY HALL
難解で知られる「ハムレットマシーン」だが、会場は超満員、これはひとえに”ハムレットだった男2”を演じる、佐々木敦の魅力だ。100kgを超える体重の存在感の塊りのような佐々木の会場を圧倒するパフォーマンス・・・、吠える孤独、狂気・・それでいてきわめて繊細な断片も挿入されていて、外国公演でも高く評価され、今回で最後になる上演だそうだ。さらに音楽、美術など総合的なものの所産だが、本当に心に残る上演だった。
・久しぶりに土曜におあもろが店を開けた。中川君、沢さん、武藤さんと常連が揃った。やはり、ここの泡盛と豚のしっぽを煮たおもろ煮の組み合わせは最高だ!


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by engekibukuro | 2018-03-25 09:36 | Comments(0)  

3月23日(金)M「鎮魂歌」Pカンパニー

原作:ドストエフスキー「罪と罰」より
脚本・演出:木島恭「書き下ろし」、全労済ホール/スペース・ゼロ
”昭和11年(1936年)。闇金融業社長の脇田が、その妹と共に殺された。犯人は貴城秀一。闇金で弱者を苦しめる奴は死んで当然と殺害するのだが、誤って、居合わせた妹も殺害してしまう。秀一には強盗殺人罪として懲役23年の判決が下される。”秀一は学業優秀で、東京帝大卒業後、一流企業に就職したが、昭和4年(1929年)の世界恐慌の影響で倒産し、失業したのだ。他に娼婦横山園子が登場する・・・。現在の世の中で「罪と罰」の日本版を書き上演することの意義がどこにあるのか、今一つ釈然としないのだが、秀一を演じるのは林次樹で、林の鬱屈した好演もあって、この芝居は「罪と罰」を読んでいない観客には、原作を読もうとする気を起こさせる力がある。私も、大昔、読んだ原作を思い出し、いろいろの人物、場面を思い出し、久しぶりに読み返そうとする気持ちになった。

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by engekibukuro | 2018-03-24 10:07 | Comments(0)  

3月22日(木)M「yellow Fever  黄熱病」

作:リック・シオミ、翻訳:吉原豊治、演出:河田園子、日暮里D-倉庫
カナダの芝居だ。カナダでも第二次大戦ではアメリカと同じ在留日系人は、山奥の収容所に送られて、財産は没収された。この芝居は、戦後のバンクーバーの話、日系人の一匹狼の私立探偵サム・シカゼが主人公。行方不明のある女性を捜す仕事を引き受けるのだが、警察に阻まれる。ハードボイルド・ミステリーのパロデイのような芝居で、それらしく皆演じているが、カナダでは戦後も黄色人種への偏見があり、そのための排斥団体があるということが驚きだった。

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by engekibukuro | 2018-03-23 06:52 | Comments(0)  

3月21日(水)

終日、石牟礼道子「椿の海の記」を読む。驚くほど豊かな文章で、自分の幼少期の記憶、水俣の海や川の風景、土木屋だった父や、「神経さん」と呼ばれた狂気の祖母などの家族の事、近所の人々、街の風景が緻密に書かれていて、少しもゆるむところがない、それこそ文章自体が生きていて、読んでいて自然にその記憶に一体化できてしまう・・・。読んでいて、ふとガラス越しに外を見ると雪が降っていた。
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by engekibukuro | 2018-03-22 09:53 | Comments(0)