人気ブログランキング |

<   2018年 11月 ( 32 )   > この月の画像一覧

 

11月29日(木)M「梟倶楽部ー江戸川乱歩短編よりー」Pカンパニー

原作:江戸川乱歩「目羅博士」「お勢登場」、脚本・演出:内田龍磨、スタジオP
 西池袋の乱歩のかっての居住地呉あたりに、梟倶楽部という秘密めいた倶楽部があり、この倶楽部で乱歩の「目羅博士」と「お勢政登場」をお芝居にして楽しむというもの・・・。「目羅博士」は5階建てのビルが二つあり、その5回の裏の部屋が向かい合っていて、その窓から向かいの部屋に目羅博士が特殊な指示をして、向かいの部屋にいた男が首をくくる話、「お勢登場」は子供たちとかくれんぼしていた男が、長持ちに入って隠れていたが、錠がかかてしまい出られなくなってしまう話・・・。梟倶楽部の面々が演じて楽しむのが、全体として乱歩のテイストを味合わせてくれる面白い舞台だった・・。
「堀切句」:”階段を軋ませてくる夏料理”、”はんざきの肘直角に来タリけり“・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

by engekibukuro | 2018-11-30 06:23  

 11月28日(水)

・与謝野晶子「私の生い立ち」(岩波文庫)を読む。私の祖母は晶子の妹で、私は昭和17年、晶子の亡くなる前の病床に母に連れられてお見舞
いに行った記憶が残っていて、晶子の病床の姿を記憶している・・。この本に好きだった祖母のことが書かれているかと思って読んだ。だが、期待外れで、大阪堺市の羊羹屋駿河屋のいろいろのことが書かれていたが、祖母のことは短歌一首だけだった。”いもうとと七夕の笹二つ三つながるる川をゆくかな”である。
「堀切句」:ふんどしの近づいてくる祭りかな”、”この清水よき酒となり蕎麦となる”…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

by engekibukuro | 2018-11-29 10:07  

11月27日(火)

光が丘図書館で雑誌「ソトコト」で連載している浅田彰と田中康夫の対談「憂国呆談」を読む。この二人の対談は1989年創刊の雑誌「CRA」から始まり、そのあと自動車雑誌の「NAVI」「GQJAPAN」と続き、そのご「週刊ダイヤンモンド」へ移り、現在の「ソトコト」に至っている。その間約30年、私は毎号読んでいて、政治や文化について学ばせてもらった。今回の話題は豊洲の魚市場と「新潮45」の話・・。浅田は、LGBTのことについて、「僕は政治的にはマイノリテイの存在と権利の承認をもと徹底すべきだと、思う反面、それはポリイカル・コレクトネス、つまり政治的正義なんだから、文學や政治をそれで割り切ろうとすることには反対、文学や芸術は人を傷つける劇薬でもある・・。」「ポリテイカル・コレクト」とか言って去勢するのは文化の自殺行為だという・・。
「堀切句」:”コカコーラぬるき昭和の日なりけり”、”眼鏡屋にめがねの数の夏来る”


by engekibukuro | 2018-11-28 17:01  

11月16日26日(月)M「命売ります」PARCOプロデュース

原作:三島由紀夫、脚本・演出:ノゾエ征爾、サンシャイン劇場
ノゾエは独特な劇作家でユニークな劇世界を創っている人で、この作品もたいへんな力作だということは感じるのだが、私は残念ながらこの芝居の世界に最後まで入り込めなかった。ただ、懐かしや、元状況劇場の俳優不破万作が出演していて、さらに私の大好きな温水洋一も出ていて、この二人を観られたのが嬉しかった・・・。
「堀切句」:”囀や末法の世のかくも晴れ”、”うみうしの取り残さるる磯遊”

by engekibukuro | 2018-11-27 09:54  

 11月25日(日)

・11月24日が誕生日で、義妹T子ちゃんが、白赤のワインとお寿司をもってきてくれて、家内と3人で誕生祝いをしてくれた。82歳だ。うまく老いるというのはタイヘンだということが、このごろつくづく分かってきて・・・・。
・競馬、ジャパンカップ、ルメール騎乗の三才牝馬のアーモンドアイが、2分2秒6の日本新記録で優勝した。2着が川田騎乗のキセキ、3着がデムーロ騎乗のスワーブリチャード。キセキを中心に買ったのが成功、3着までを当てる3連複とワイド馬券が的中、多少のプラスのになった。これも誕生祝かな・・。
「堀切句」:”花こぶし落ち来て画布の白きこと”、”ふらここを風に攫はるるまで漕ぐ”

by engekibukuro | 2018-11-26 09:31  

11月24日(土)M「光より前にー夜明けの走者たちー」

作・演出:谷賢一、ワタナベエンターテイメント、紀伊国屋ホール
この作品は、1964年東京オリンピックでドル銅メダルを獲得したマラソンランナー円谷幸吉とその四年後のメキシコオリンピックで銀メダルを君原健二という、ライバルであり友人、そして性格も生きかたもあまりに正反対だった二人の青春をはじめて作品化した舞台だ。この二人の対照的な運命は、円谷は身体を痛めて再起が不可能になって、あの有名な遺書「父上様、母上様三日とろろ美味しゅうございました。干し柿、餅も美味しゅうございました。・・・」を残して自殺し、片やいったんは引退を決意したが、再起した君原は77歳になる現在も走り続けている。谷は「なぜ人間は走るのだろう」と問うが、それは、人間のシンプルな極限の行為だからだろう。この舞台は円谷を演じた宮崎秋人の純朴を絵に描いたような演技と、君原を演じた木村了の実際的で、現実を理知的に考えるの鮮やかな対照でしっかりした舞台が出来上がったのだ。
「堀切句」:”尻餅をつけば冷たき蓬かな”、”卒業の日の雲呑のやうな雲”


by engekibukuro | 2018-11-25 06:50  

11月23日(金)M「残り火」青年座、ザ・スズナリ

作:瀬戸山美咲、演出:黒岩亮
一人の少女を死なせた悪質な「交通通事」の加害者と被害者の家族の崩壊を緊迫したタッチで描いた1時間40分の息詰まる舞台だった。瀬戸山の秀作だ。その瀬戸山のテキストを、青年座の山本龍二、山野史人らの高度の演技力を持つ俳優陣が、黒岩の的確な演出によって、充実した作品に仕上げたのだ。また、パンフで毎日新聞の濱田元子が、瀬戸山美咲、野木萌葱、古川健、中津留章仁、長田郁恵、シライケイタら1970年生まれ劇作家、バブルの崩壊期、就職氷河期に作品を産みだした劇作家を、アメリカのヘミンギウエイらのロストジェネレーションらになぞらえて、ロスジェネ時代の劇作家と総称した文章が適格だと思った。
「堀切句」:”芯折るる音またひとつ大試験”、”後戻りするもまたよし青き踏む”


by engekibukuro | 2018-11-24 06:41  

11月22日(木)原民喜「夏の花」(岩波K文庫)を読む

原の故郷広島での原爆体験・・
”ギラギラノ破片ヤ 灰白色ノ燃エガラガ ヒロビロトシタ パノラマノヨウニ アカクヤケタダレタ ニンゲンノ死体ノキミョウナリズム スベテアッタコトカ アリエタコトナノカ パット剥ギトッテシマッタ アトノセカイ テンプクシタ電車ノワキノ 馬ノ胴ナンカノ フクラミカタハ ブスブストケムル電線ノニオイ”
 あとに 原は鉄路に身を横たえて、自らの命を絶った。その命日を「花幻忌」と名付けた。それは原の詩の一節からとった。
”遠き日の石に刻み 砂に影おち 崩れ墜つ 天地のまなか 一輪の花の幻”
「堀切句」:消しゴムを切ればまっしろ水温む”、”一粒の雨にせはしく蜥蜴の国”

by engekibukuro | 2018-11-23 07:56  

11月21日(水)M「屋根裏の仏さま」劇団東演

原作:ジュリー・オオツカ、脚本:ふたくちつよし、演出:、松本祐子、下北沢東演パラータ
”今から百年前、たった一枚の写真を便りに新天地を求め、何週間も船酔いに悩まされながら太平洋を渡り、アメリカにたどり着いた「写真花嫁」たち。まだ見ぬ夫について語りあい、新しい生活を夢見てアメリカに着いた彼女たちを待っていたのは”・・・”写真は20年前のものものだった。待っていたのはみすぼらしい男たち・・。それでも貧困、差別と闘いながら懸命に働いて、やっと手に入れたささやかな幸せも、専横によって奪われ、強制収容所へ移動させられる時が来る。11人の女優たたちによって、それぞれが自分の運命を物語る群像劇、各々の女優が最大限に気持ちを込めた、心のこもった舞台だった。
「堀切句」:”涅槃図の川となるまで象が泣く”、”しゃぼんだま地球の色の定まらず”

by engekibukuro | 2018-11-22 06:57  

11月20日(火)

渡辺京二「幻影の明治」を読む。
”名著「逝きし世の面影」の著者が「もうひとつの明治」を描く傑作歴史評論集。時代の底辺を直視した山田風太郎の明治シリーズ論から彰義隊崩れの挫折への眼差し、司馬史観への批判的考察、士族反乱の知られざる物語まで、維新の陰に埋もれた無告の民への共感から紡ぎだされる歴史叙述には、歴史を異化する力がある。”この本の裏表紙の惹句だが、まったくそのとうりの傑作評論集だ。渡辺京二は石牟礼道子も助力者としても知られているが、現在私の最も尊敬する歴史家、文人だ・・。80半ばの歳だが、文章は少しも枯れていないし、この人の文章を読むととても豊かな気持ちになる・・。またこの歴史家にはまだまだいろいろの著述の企画があり、最後は日本の現代史を書くそうだから、それまで元気にしていてもらわねばならない・・。
「堀切句」:”迷ひ猫の写真も貼る種物屋”、”生まれ日の春泥ひかりごと跨ぐ”

by engekibukuro | 2018-11-21 06:30