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5月9日(木)★M「WILD」★★S「ハムレット」

★作:アミク・バートレット、演出:小川絵梨子、東京グローブ座
世界を震撼させたアメリカを内部告発したスノ-デン事件を扱った劇。中島裕翔、太田緑ロランス、斎藤直樹。スノーデンが亡命したロシアの彼の部屋が舞台。ミステリアスで密度の濃い舞台だった。
★★作:ウイリアム・シェイクスピア、翻訳:河合祥一郎、演出:サイモン・ゴドウイン、BUNKAMURAシアターコクーン。シェイクスピア劇の名手、サイモン・ゴドウインのダイナミックな演出に、ハムレットを演じた岡田将生が見事に応えた、素晴らしい舞台だった。

by engekibukuro | 2019-05-10 11:53  

5月8日(水)New Musical「Color of Life」

脚本・作詞・演出:石丸さち子、作曲・編曲:伊藤靖浩、DDD青山クロスシアター
東 啓介と青野紗穂の二人ミュージカルだ。
”男は画家。大震災を機に、画題を見失ってしまった。女は女優。最愛の同性の恋人と死に別れたばかり。二人は、飛行機で偶然隣り合わせになり、惹かれあい、N.Y.の彼女の部屋で一緒に暮しはじめる。
二重国籍で同性愛者の彼女と、絵を描くこと以外に世界とつながる術のなかった彼は、相手に向き合い、自分と向き合っていく。パレットの上で混じりあう絵具のように、人生が響き会い、二人の新しい色が生まれていく。生きる喜びの鮮やかな色が・・・。
やがて観光ビザの決めた90日の猶予が近づいて、二人はお互いの未来を探しはじめるのだが・・。”二人の愛は成就への道に・・。
東と青野は、懸命に歌い、演じた・・。その成果は稔った舞台ではあったが、もう一つ同性愛者との恋の物語の芯が伝わりにくい気味があった。・・・・・・…・・・・・・・・

by engekibukuro | 2019-05-09 10:04  

5月7日(火)

・片山杜秀「平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム」(幻冬舎新書)を読み、衝撃に近い感銘を受けた。肌身には感じてはいたが、こんな時代だったのか平成という時代は・・。”度重なる自然災害によって国土は破壊され、資本主義の行き詰まりにより、国民はもはや経済成長の恩恵をを享受できない。何のヴィジョンもない政治家が、己のの利益のためだけに結託して、浅薄なナショナリズムを宣伝するー「平らかに成る」からは程遠かった平成を、今上天皇は自らのご意志によって終わらせた。この三十年間に蔓延した、ニヒリズム、刹那主義という精神的退廃を、日本人は次の時代で乗り越えることができるのか。”(裏表紙の本書要約)。本文の結語といってよい文章「A!栄えて人間が滅ぶ道を選ぶのか、人間であり続けるために現代の機械打ち壊し運動に参戦するか。とにっかく、平らになる予定だった平成の世が追い払ってしまったマルクスを読み直したほうがいいですよ。ポスト平成の人間の行く末は、マルクスを呼び戻せるかにかかっているのかもしれません」。さらににこの本の読みどころは、右翼の「日本会議」をとりあげて、その右翼思想の源流に世界的作曲家の黛敏郎がいて、音楽評論家でもある片山の黛に対するアンビバレンツな気持ちがこもった文章、感銘を受桁。………………・・
・・

by engekibukuro | 2019-05-08 09:53  

5月6日(月)M「1927 獣よ、子供よ、街に出よ!」

制作:1927、作・演出:スザンヌ・アンドレード、アニメーション、映像&美術:ポール・パリット、東京芸術劇場プレイハウス
1927◎アニメーションと映像とライブ・ミュージックを融合させた、マジカル・フイルム・シアターを制作しているUK発のシアターカンパニー1927の作品。”これは古びたアパートが立ち並ぶ街の中の一角にあるバイユー・マンションのこ物語である。アグネス・イーブスと娘はある夜更けにバイユー・マンションにたどりついた。カーテンはひらひらと揺れ、隣の誰かは、じっとこちらを見つめている。そして狼がいつもドアの前にいる。はたして、これは幸せのサインなのか?それとも、更なる恐怖の始まりに過ぎないのか?”カワイイ「コワかわいい」世界がが、絶妙なアンバイでアニメーションと映像で表現されて、ライブ・ミュージックが切々と、その世界の地の底からのような音の世界を客の耳にとどける・・。今まで見たことのない、オリジナルで心の底に染み入る素敵で怖い作品だった。

by engekibukuro | 2019-05-07 10:18  

5月5日(日)

・息子が地元の中華料理店バーミヤンでの夕食を招待してくれた。息子夫婦、男の孫二人、家内と賑やかな食事をする・・。孫二人が元気に育っていて、上の小学4年生の孫は算数が好きだ・・。私は算数がまったくだめで嫌いだった・・・。
・日曜競馬、NHKマイルカップ、川田騎手騎乗のダノンチェイサーから買ったが、5着・・1着はデムーロ騎手騎乗のアドマイヤマーズ、デムーロ騎手は好きな機種だが、先日の天皇賞をはじめ、たびたび期待を裏ぎっているので買わなかった・・。ある予想者によるとデムーロは不調が続くと、あるとき突然不調を脱して勝ちだすそうだから・・。オークス、ダービーが楽しみだ・・。

by engekibukuro | 2019-05-06 09:37  

5月4日(土)M★★「HER VOICE」鴎座

「鴎座」極私的演劇宣言2019 ★★「HER VOICE」
演出・美術:佐藤信、振付:竹屋啓子、出演:竹屋啓子、大月秀幸、早稲田小劇場どらま館
 ”サミュエル・ベケットの「幸せの日々」の膨大なせりふの合間に書き込まれた「ト書き」の忠実な再現からはじまった舞踊家竹屋啓子のライフイワーク。演劇よりも演劇。ダンスよりもダンス。あらたに、共演者に大月秀幸を迎えた新バージョン(2018年初演)”。舞台上に大きな箱が載っていて、その箱に穿たれた穴から女(竹屋)が首だけだして、まわりにいろいろな日用品、化粧品を穴から取り出して並べてゆく。中にはピストルもあり、女がそれらを穴から並べてゆく、その品々をとりだし、並べてゆく女の表情に、それらの行為が女の生涯の一切が含蓄されていると、自然に思わせ、その悦楽を強烈に感じさせるのだ。箱の裏にはフロックコートを着た男(大月)の、時々新聞を読んでいる姿が浮かび上がる・・。が、女との直接の接触はない・・。それで女が回りの品々をしまい終わると・・。フイナーレだ、その時は舞踊家竹屋が、大月と楽しそうに踊りまくる。ベケットのテキストを基にした、佐藤・竹屋の傑作だ・・。・・・・・・・・・・・・

by engekibukuro | 2019-05-05 09:51  

5月3日(金)M★「火曜日はスーパーへ」鴎座

・「鴎座」極私的演劇宣言2019 ひとり語り二作品★「火曜日はスーパーへ」★★「HER VOICE」(明日)一挙上演
作:エマニュエル・ダレル、訳:石井恵、演出・美術:佐藤信、出演:龍昇、早稲田小劇場どらま館
龍昇の一人芝居。一人住まいの父親のもとへ毎週火曜日に行き、スーパーで買い物をして、掃除洗濯など、1週間分の家事を済ませ、来週分を用意する息子ジャン=ピエールのモノローグドラマだ。実はジャンは性転換して、ジャン=マリと名乗っているのだが、父親はそれを認めず、ジャン=ピエールという名前に固執すしている・・。その1週間の出来事や、父への思い、父の反応を龍は、淡々と心のこもったモノローグで演じ抜く・・。マリとして父に認められたい気持ち、さらに認められるのは無理だという気持ちが、微妙に交錯するモノローグ。龍昇の芝居は昔からずっと観ているが、このモノローグドラマは龍の白眉をなす演技だと思う・・。役の気持ちがこんなに切々と私=客の心に響くのは!


by engekibukuro | 2019-05-04 09:45  

5月2日(木)M★「背中から四十分」★★「-不思議な国のエロスー女の平和」

★作・演出:畑澤聖悟、渡辺源四郎商店、ザ・スズナリ
”東北地方の場末の温泉地。海沿いの崖の立つ八階建てのホテルの最上階。フロント係に案内されて一人の中年男、相本が入ってくる。相本が真夜中にかかわらず半ば強引にマッサージ師を呼びつけると、やってきた女性マッサージ師、せつ子はいわくありげ。二人っきりの部屋で、シングル40分のマッサージサービスが始まる・・。”相本を斎藤歩が、せつ子を三上晴佳が演じた。男は仕事も家族もすべて崩壊して、この八階から飛び降り自殺をするつもりで、このホテルにやってきた、さらにせつ子も相本と同じような状況で、オイルマサージをされて、相本が寝てしまったのを見澄まして、窓を開けて下を見て・・、そこで相本が間を覚まして、声をかけたのだ・・・。二人は、マッサージによって、生きる気力をとりもどしたようだ・・・。初演は2004年。畑澤の劇作術は、どんな題材、テーマでもきちんとした作品に仕上げる名手だが、この芝居も絶望した男女の悲哀と生への切望がひしひしと感じられる舞台だった。
★★原作:寺山修司ーアリストパネス「女の平和」よりー、上演台本・演出:流山児祥、振付:北村真実、シアターRAKU、本多劇場
楽塾改め、シアターRAKUは創立してから22年たった。現在平均年齢63歳の劇団だ・・。そして12年ぶりの本多劇場公演。よく続いたものだ、私は創立公演から観ているが、この劇団、22年たっても、役者たちは、普通の意味での芝居がうまくなったりしない。いわば、健全なアマチュアリズムが今でも息づいていて、舞台で演じ、歌い、踊る喜びがダイレクトに客の心に伝わってくる。今回も、このギリシャ劇の古典を寺山が日本の時代劇風に移し替え、流山児がふんだんな歌と踊りの、レビューに仕立て上げた舞台を、思いっきり楽しんで演じて、楽しい一晩を過ごすことができた・・。

by engekibukuro | 2019-05-03 10:24  

5月1日(火)

令和元年、さて・・・。一日在宅、夕方、駅前のコーヒータイムへ。その間、佐藤優と片山杜秀という、二人の”知の人巨人”の対談「現代に生きるファシズム」(小学館新書)を読む。この二人の書物は、彼らが本を出した当初から読んでいて、日本で一番信頼している知識人だ。この本を読むと、現在の日本が相当ヤバイ事態になっていることを、ひしひしと感じる。戦前の昭和から現在までの一つの通史になっており、「持たざる国」日本が、どう世界にそれまで対処したか、片山はマルチの人だが、当初の専門は日本の右翼の思想家の研究だった。佐藤は、外務省の外交官として、転換期のソ連に滞在していた。非常に密度の濃い対談だった。ファシズムという言葉は、分かったようでよく分からない言葉で、イタリアのムッソリーニとヒトラーは同じファシストといっても、内実はそうとう違う・・。あとがきで、片山は、ファシズムという言葉は、”束ねる”ということからきた言葉で、時代と国で内容が多義的になると、何をどう束ねるかだと解説していて、そういう言葉なのかと、一応腑に落ちた気がしたが・・。

by engekibukuro | 2019-05-02 09:38  

4月30日(月)

岸田戯曲賞受賞作・松原俊太郎作「山山」を再読する。そして、この戯曲の構成のオリジナリテイ、言葉の面白さが理解できた気にはなったが、・・・。岸田賞の選考委員は、岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィツチ、野田秀樹、平田オリザ、宮沢章夫、柳美里だが、全面的に評価しているのは、岡田だけで、他の委員は、この作品が3.11の東日本大地震をモチーフにしていて、そのことと、作品の言葉の純度を認めてはいるが、戯曲としたは評価しにくいという委員が多かった。が、反対票を投じたのは野田だけだった。野田は選後評で”「演劇の打ち上げの午前4時ごろの会話」で「フクシマ」の暗喩が回収されていいのか?と思った。”と書いている。この本に載っているこの戯曲の上演記録を見ると、2018年6月に、横浜のKAAT神奈川芸術劇場で上演されている。それで、2018年の手帳を見てみると、KAATに行っているのだ。6月7日で昼は俳優座のこまつ座の「父と暮らせば」を見て、夜に行っている。だが、演劇ブログには「父と暮らせば」の劇評は書いているが、「山山」については何も書いてない、が朝日新聞のこの芝居の紹介の切り抜きだけがノートに貼ってあった。上演したのは三浦基主宰の「地点」の上演で、その切り抜きで”山は舞台をV字型に覆う二つの斜面で表現する。見上げるような舞台だ。”とある。それで、思い出した・・。私は三浦の演出は好きなのだが、三浦の演出の大胆なイメージが、よく解らなかったのだろう・・。結局、今年の秋の文学座の今井朋彦演出のアトリエ公演で、松原の新作の上演を観てからだろう、真価が解るのは・・。

by engekibukuro | 2019-05-01 10:30