5月6日(日)

KAATの菅原さんに送っていただいたエンダ・ウオルッシュの「バリーターク」の台本(小宮山智津子訳)を読む。この3人芝居で男1を演じた草薙剛が、パンフで語っている”この舞台を「やりたい」と一番の理由は、最初に戯曲を読んだ時にまったく意味がわからなかったから(笑)”ということがよく解った。わたしも、難解と言ってっも、その難解さがとても特異なもので、いままで読んだことのないタイプの戯曲だった。この戯曲を舞台化して、とてもユニークな面白い舞台にした演出の白井晃もすごいし、演じた草薙もたいしたものだと(むろん男2の松本諭も男3の小林勝也もだが)思ったのだった。ただエンダが「僕にとって演劇は世界を映す鏡じゃない。それはゴミ箱のフタなんだ」と語っていることが、この戯曲を読んでわかった気がした・・。そのフタを開けた世界が、どうしてこんなに生き生きしているのか、それに貢献した草薙の演技を思い浮かべたのだった。この芝居横浜が終わって、12日から世田谷パブリックシアターで上演する。ー今日の競馬完敗
北斗賞・堀切句:”小さき種ジャムの中より復活祭”、”ひと粒の雨にせはく蜥蜴の国”、”福耳を囃されている新社員”

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# by engekibukuro | 2018-05-07 06:55 | Comments(0)  

5月5日(土)S「吸血姫」唐組 新宿・花園神社

作:唐十郎、演出:久保井研+唐十郎
いつもは唐組の芝居は、雑司ヶ谷の鬼子母神で観るのだが、今回は花園の初日に行った。それは、今回の芝居に銀粉蝶が特別出演するからだ。銀は、80年代の小劇場ブームの時代に夫の生田萬と「ブリキの自発団」という劇団を主宰して、あの時代の花形女優だった。今期は、江ノ島の愛染病院の花形看護婦高石かつえに扮し、妖艶な存在感を舞台に縦横にまき散らして、これも特技の歌をたっぷり聞かせてくれた。かって、銀は横浜の相鉄本多劇場でリサイタルを開いたことがあり、私はそれに行った・・。この芝居の状況劇場での初演は、1971年渋谷の西武の駐車場の裏に建てられた紅テントだった。それも観た。初日のテントはテント一杯の客で溢れかえっていて、昔の状況劇場を髣髴させた。芝居は間に10分の休憩をはさんで2時間は、あっという間に終わった感じで、通常のいつも見ている「演劇」とは次元がことなる舞台としか言いようがない・・。そして、この舞台には唐の娘の大鶴美仁音と息子の大鶴佐助が出ていて、二人とももう立派なアングラ役者になっていた。とくに美仁音は命がけのような奮闘で、近いうちに一枚看板の女優になりそうだ。カーレンコールには唐さんも挨拶し、終演後の初日乾杯では乾杯の音頭をとった。充実した一夜だった・・。
北斗賞;堀切句:”芯折るる音またひとつ大試験”、”鳥雲に結婚離婚すべて紙”、”永き日をたっぷり使ふ御柱”

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# by engekibukuro | 2018-05-06 09:35 | Comments(0)  

5月4日(金)M なべげんイタコ演劇祭 渡辺源四郎商店 ザ・スズナリ

”なべげん”の地元の青森県はイタコの盛んな土地だ。それにちなんだ演劇祭だ。
★「愛とか死とか見つめて」(作・演出:工藤千夏)
都会で売れない役者として暮らしていた息子が、父の訃報で帰省して、イタコと称する女性に、むりやりみたいに親の後を継いで極楽村の村長にされてしまう話・・。愛嬌のある軽い芝居だ・・。
★★「いたこいたろう」(作・演出:畑澤聖悟)
東北の地方都市でイタコを営む年かさの女性のもとへ、一人の若い女性が訪ねてきてホトケおろしを依頼する。私はイタコにも民間信仰の呪術にも関心が薄いのだが、この85分の芝居には感心した。ホトケおろしの85分、緊張感と変幻自在のシーンが混在する劇作術は実に見事なものだった。一切ができ試合のようなパフォーマンスなのだが、二人の女優、三上晴佳、林本恵美子のテキストに応えた、見ごたえ十分な演技にも感心した。畑澤は原子力問題でも、こおういうイタコのよなものでも、自在に見ごたえのある芝居を創る腕前がある貴重な劇作家だといことを改めて確信した。
北斗賞・堀切句:”しゃぼんだま地球の色の定まらず”、”囀や純白のブリーフもよし”、”旧駅舎跡形もなく乙鳥も"・・・・・

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# by engekibukuro | 2018-05-05 09:51 | Comments(0)  

5月3日(木)白井聰「国体論 菊と星条旗」(集英社新書)

一応読了した・・。この本の本文の巻頭:1「お言葉の」の文脈:「・天皇の呼び掛け 2016年8月8日、テレビを通じて発せられた、強い「言葉の力」に筆者は釘付けとなった。自分が見聞きしてるものは一体い何んであるのか、それは考えれば考えるほど、衝撃の感は深まっていった。本署の「序」に記した問題意識を、筆者は「永続敗戦論」の執筆以来持ち続けてきた。「戦後日本の対米従属の問題は、天皇制の問題として、<国体>の概念を用いて分析しなければ解けない」という考えを抱いてきたのだった。それをどのように世に問うてゆくかを考えている最中に、思いがけないところから、筆者の問題意識の中心を射抜く出来事が生じたのおである」
このことからの叙述が本書に一貫しているのだが、私はよく理解できた思いがしないので、再読しよう。
北斗賞・堀切句:”背の高き父に抱かれ雛の市”、”人の影ふたつ映りて水温む”、”迷い猫の写真も貼られ種物屋”



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# by engekibukuro | 2018-05-04 10:24 | Comments(1)  

5月2日(水)M「めにみえない みみにしたい」彩の国さいたま芸術劇場小ホール

作・演出:藤田貴大、彩の国さいたま芸術劇場・MUM&GYPSY
”めにみえないが、みえていたころ、みみにしたいものに、みちていたころ。言葉にすることが、できなかたこと。言葉にしなくても、わかっていたこと。あのころみえていた、ぜんぶの風景と、きこえていた、その連続を、そのまま。そもままのかたちでおもいきり描いてみることができる。いい機会だとおもう。作品づくりのあたらしい輪郭がみえてくる瞬間が、ここにある気がしている。”藤田貴大
主演者4人、伊藤香織、川崎ゆり子、成田亜佑美、長谷川洋子が、純度の高いパフォーマンスで大人も子供も十分楽しめるステージを創って、楽しい時間をすごせた。
北斗賞・堀切句:”涅槃像の肘のあたりで待ち合わす”、”涅槃図の川となるまで象が泣く”、”春一番吹きて産着の届きけり"・・・・・・//

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# by engekibukuro | 2018-05-03 07:29 | Comments(0)