5月1日(火)

白井聰の「国体論 菊と星条旗」(集英社新書)を読み始める。白井の持論「永久敗戦論」の文脈で、現在までいびつな形で続いている「国体」を論じている・・。
北斗賞・堀切句。”てのひらを薄氷として持ちけへる”、”待ち合はせしたる午後より春めける”、”うみうしの取り残さるる磯遊”
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# by engekibukuro | 2018-05-02 06:43  

4月30日((月)M「嗚呼、萬朝報!」温泉ドラゴン、高田馬場ラビネスト

作:原田ゆう、演出:シライケイタ
明治の時代の新聞・萬朝報を発行し、目覚ましい論陣を張り、幸徳秋水など優秀な人材に場を与えた明治のユニークなジャーナリスト黒岩周六の伝記を描いた芝居だ。周六は一方で語学に優れていて、黒岩涙香の名でユーゴーの「レ・ミゼラブル」を「あ〃無情」という名で訳し、天下の読者の涙を絞らせた・・。更に複雑な女性関係のトラブルに四六時中追われて、休むいとまもなかった人物だった。この周六を二十歳代を寺本一樹、三十歳代・四十歳代をいわいのふ健、五十歳代を金井良信が演じた。少々粗い舞台ではあったが、類のない意欲作だった。
北斗賞・堀切句:”生まれ日の春泥ひかりごと跨ぐ”、”紅梅を絵筆の先にふくらます”、鳥ごゑに濡れはじめたる薄氷”


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# by engekibukuro | 2018-05-01 07:32 | Comments(0)  

4月29日(日)高橋源一郎「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」(集英社新書)

面白い小説だったが、よくつかめなかった・・。それを片山杜秀の書評で了解できた。片山は、この小説が”戦後日本に生まれた、愛のある天皇小説。それが本作の核心的意義だ。”と書いた。この国ではなく「くに」を作る小学生4人を中心にした小説は、読みやすいようでいて、奥が深く、核心をつかむのが難しかった。それを片山が解読してくてのだ。それと、いとうせいこうが評した言葉”ぼくたちのハックルベリー・フインは、自由な”くに”を作りに冒険に出たのだ。”がこの小説のマチエールにぴったりだった。
・北斗賞・堀切克洋・三句:”書店(難漢字)の灯を乞うて恋猫戻りきし”、”浅はかな一夜もあらむ猫の恋”、”恋猫のたとへばかの子ほどの恋”

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# by engekibukuro | 2018-04-30 07:10 | Comments(0)  

4月28日(土)M「革命日記」青年団・こまばアゴラ演劇学校”無隣館”

作・演出:平田オリザ、こまばアゴラ劇場
テーブルの上にワインのボトルといろんなツマミが載って、そもまわりに男女がねそべっている・・。この状態で革命の密議を謀っている。そして近所の人が突然訪ねて来たり・・・。初演では”革命”に対するノスタルジアを感じたが、今回の再演では、革命というものへのカルカチュアしか感じられなかった。だが、革命という言葉がもう死語になり果てた感じが、私たちの世代には、何とも言えない感慨、郷愁にちかいものをも感じさせる舞台でもあった。
・堀切克洋君が北斗賞を受賞した。この賞は年齢が満四十歳までの俳人の句(150句)に贈られる賞。堀切君の俳句のタイトルは”尺トリ(難漢字)の道”。毎日一句ずつ紹介できればと思っている。まず巻頭の一句:”みどりごの爪やはらかき二月かな”

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# by engekibukuro | 2018-04-29 07:24 | Comments(0)  

4月27日(金)鴻上尚史「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」(講談社現代新書)

1994年11月の第一回の特攻作戦から、9回の出撃。陸軍参謀に「必ず死んでこい」と言われながら、命令に背き、生還を果たした特高兵がいた。佐々木友次という飛行兵だ。鴻上は、この佐々木が92才で札幌の病院で生きていることを知り、会いに行き、合計5回のインタビューを行った。この本は、このインタビューを柱に、特攻兵の当時の在り方、飛行の仕組み、航空機の性能を詳しく分析、再構成し、・・特攻作戦の実態を明らかにした。私は鴻上の芝居を「第三舞台」の旗揚げから観ているが、演劇とは別に、このような立派といっても過言では無い本を書ける人とは思っていなかった。知らなかったことを恥じる気持ちになった本だった。そして、平然と「必ず死んでこい」という上官の体質が、日本と日本人に残留していることを鋭く示唆していることも十分感じとれた。北海道の当別町にある佐々木友次さんのお墓に刻まれている文字・・。”哀調の切々たる望郷の念と 片道切符を携え散っていった 特攻と云う名の戦友たち 帰還兵である私は今日まで 命の尊さを噛みしめ 亡き聖霊と共に悲惨なまでの 戦争を語りつぐ 平和よ永遠なれ:鉾田陸軍教導飛行団特別攻撃隊 佐々木友次。・・

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# by engekibukuro | 2018-04-28 06:45 | Comments(0)